頭を下げない仕事術
なかなか相手のOKを引き出せない方、どんなに熱心に頭を下げてもイエスを引き出せない方、そういう方に本書はきっと役に立ちます。
題名 頭を下げない仕事術
著者 高野誠鮮(たかの・じょうせん)
発行 株式会社 宝島社
内容
著者の高野誠鮮さんは、1955年日蓮宗の本證山妙法寺の次男として石川県羽咋市に生れる。
高校卒業後上京し、科学ジャーナリスト、テレビの構成作家として『11PM』や『プレステージ』などを手がけたのち、生まれ育った羽咋市へ戻り、1984年に市の臨時職員となる。
一職員という立場で「UFOで町おこし」や「神子原米」のブランド化など、今までにないザンシンな取組みを実行し実績を残す。定年退職後は、氷見市等の地域創生アドバイザーなどで活躍されている。
著書に『ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか? 』がある。テレビドラマ『ナポレオンの村』で主人公役の唐沢寿明さんが演じた、スーパー公務員の活躍は、実際に著者が行った地域おこしがモデルとなっています。
過疎高齢化の限界集落を救う一連のエピソードなどについての「仕事術」をまとめたのが本書です。
『ローマ法王に米を食べさせた男』は、「何を」やったのかの本で、本書は「どう」やったのかをまとめています。
書店に行くと様々なビジネス書と呼ばれる本が並べられていますが、説得力に欠けどこか空虚な印象を抱いてしまうと著者は言い、心に響かないその理由を、「体験」が伴っていないからだと分析しています。
著者も地域おこしの過程で「経験をしたことのない人」から批判されたりしました。けれど、くじけることなく実行できたのはひとえに「利他のこころ」で動いたためだと振り返ります。
この本では、情報術、人脈術、交渉術などに話が広がりますが、仕事において著者が一番大切にしているのは、慈悲利他の心なのです。
どんなに熱心に頭を下げてもイエスを引き出せない、そんな方に本書はきっと役立ちます。
こんな方におススメ!
☆なかなか相手の同意を引き出せない方
☆熱心に頭を下げてもイエスをもらえない方
☆これから新しい挑戦をしたいと考えている方
感想
可能性の無視は最大の悪策である。
表紙を一枚めくると、このような言葉が表れます。
著者の高野誠鮮さんは、スピード感をもって行動する人です。計画書や意気込みだけでなく、可能性がゼロでない限り実行してみる。その思いと行動が実を結び結果となって表れるのです。
さらに付け加えると、「頭を下げる仕事」をやりません。重要な交渉であればあるほど、人は頭を下げたがりますが、頭を下げるということは、自分の利益のためだけに行動している場合であり、相手のためを思って仕事をしているのであれば、自ずと頭は下がらなくなると説いています。
自分だけの利益を考えている人のために、人が動くことはないのです。
本当に叶えたいことがあれば、まず「実行」すること。そして「頭を下げない」こと。この二つを本書は最大のポイントとしています。
本書は、仕事術を主題としている本ですが、技術的なことを教える前に、まず精神論的な気持ちの部分を大切にしています。それは、心の「熱量」です。
自分自身のこころが燃えていないのに、相手の心を動かすことはできません
と著者は言います。人とつながるためにも「熱量」が必要で、相手に「おもしろい奴だ」「こいつと何かしてみたい」思ってもらう為には、自分自身が「熱量」をもっていなければならないのです。
相手を喜ばせることで、「おもしろい人間」だと感じ、興味を抱いてくれる。そうなれば、こちらから押し付けなくても相手のほうから近づいてきてくれるのです。
目次
第1章 仕事以前のこころ構え仕事術1 「やろうと思う」を「やってみる」に 第2章 「情報」と「人脈」の生かし方仕事術3 すべての「情報」は「発信源」にある 第3章 成功への「戦略」仕事術6 「戦略」は立てても「計画」はしない 第4章 相手の心を動かす仕事術8 交渉で「お願い」しない 第5章 価値を高めて売る仕事術11 売りたいときほど、売らない 第6章 仕事をつぶす「余計なもの」仕事術14 「金色夜叉」にとらわれない 第7章 挫折を乗り越える仕事術18 挫折のときには「雑草の根」を見る 第8章 大きな仕事をするために仕事術22 大きな視点をもつ |
【今日おススメした本】
頭を下げない仕事術
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