日本人を縛り付ける役人の掟
私たちは、特定の既得権者から搾取されています。
日本社会は「役人の掟=規制」によってがんじがらめにされているのです。
既得権者は、族議員や官僚と「鉄のトライアングル」を組んで、自分たちの利権をおかしな規制で必死に守ろうとしています。
それによって損をしているのは、私たち消費者なのです。
題名 日本人を縛りつける役人の掟: 「岩盤規制」を打ち破れ!
著者 原英史(はら・えいじ)
発行 株式会社小学館
内容
著者の原英史氏は、1966年東京生まれ。東京大学法学部を卒業し、通産省に入省されました。
同省では規制改革担当大臣補佐官を務め、退職後は政策コンサルティングを行う株式会社政策工房を設立し規制改革案件にも関わっています。
また、アベノミクス第3の矢の切り札として規制改革の突破口を開く、「国家戦略特区」の精度設計ワーキンググループの委員なども務めています。
かつては中央官庁に勤め、規制を作る側の一員であった著者だからこそ疑問に感じる「おかしな規制」の数々を紹介し、そして、なぜそうした規制が作られ、そして守られているかを多角的な視点から分析をおこない、その裏側にある構造や力学を解説しています。
第一部では「身近なところに潜む『役人の掟』」としてタクシー、建築物、医薬品など日常生活にまつわる身近な規制。
第二部では「成長産業の邪魔をする『役人の掟」」として農業、医療、社会福祉などこれからの成長産業の邪魔をする規制。
第三部では「国家の仕組みを牛耳る『役人の掟』」として税制や規制の製造プロセスにあたる政治・行政組織など国家の仕組みにまるわる規制。
となっていますが、それぞれの章は独立しているので、気になる部分を拾い読みしても構いません。
こんな方におススメ!
・規制に縛られるのではなく、逆に規制を利用しようと考えている方
・日本という国の現実を知っておきたいと思っている方
・日本は役人天国ではないか?と行政に疑問をもっている方
感想
日本は役人天国だ!
日本は資本主義とは名ばかりで実情は役人による共産主義だ!
などという言葉をたまに目にすることがあります。
そうはいっても普段生活している分にはまったく不便は感じませんし、あまり違和感もありません。
しかし、この本を読むとテレビのニュースなどに取り上げられるような、頭をかしげたくなるようなおかしな規制が現実に多くあるということを、改めて理解することができます。
既得権者と族議員、官僚機構がつくり上げる「鉄のトライアングル」といわれる、蜜月関係はそう簡単には崩せないように思われました。
事情が分かる人にとってはまったくおかしな規制なのですが決して緩和・撤廃されない。そして損をするのは私たち一般庶民なのです。
すぐには規制緩和というものは進まないという現実はありますが、良く考えてみれば規制に守られている産業は、競争力がないあるいは著しく低い場合が多いと思われるので、逆にそこをねらえば良いのではないかとも考えました。
例えば「ワンコイン検診」のような規制されている場所のすぐ近くのグレーゾーンをねらい事業を展開することができれば、価格やサービスで多くの人に喜んでもらえる商品を提供することができるのではないでしょうか。
目次
第一部 身近なところに潜む「役人の掟」第1章 道路運送法 第二部 成長産業の邪魔をする「役人の掟」第9章 農地法 第三部 国家の仕組みを牛耳る「役人の掟」第17章 法人税法 |
【今日紹介した本】
日本人を縛りつける役人の掟: 「岩盤規制」を打ち破れ!
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