「上司の伝え方」しだいで、ダメな部下が変わる
現場で1000人以上の部下を見てきた著者が教えてくれる部下を動かす上司の行い。
本書は、それぞれのケースで部下の気持ちを推察し、解決策を示してくれます。部下の気持ちを理解しながら実践ですぐに行動できるようになります。
部下との良好な人間関係を築くことにより、あなたのチームの業績は間違いなく向上するでしょう。
題名 100回言ってもできないダメ部下を動かす上司の言葉
著者 横山信治(よこやま・のぶはる)
発行 株式会社KADOKAWA
【内容】
著者の横山信治氏は、SBIモーゲージ取締役執行役員常務で、これまで2万人以上のビジネスパーソンと接し、3000人以上の採用面接に立ち会い、のべ1000人以上の部下を指導した経験を持つまさに「上司のプロ」です。
日常で上司が直面しそうな問題の対応策を具体的に示してくれています。目次も悩み別に記されているので、自分の悩みをピンポイントで探すことができるよう工夫されています。
第1章では、「仕事のルールが守られない部下を改心させる上司の言葉」で、ビジネスパーソンとして仕事をしていく上で基本ができていない部下にいかにルール通りに仕事をさせるか。
第2章では、「言い訳が多い部下を動かす上司の言葉」で、上司に対して反抗的な態度をとる部下に対していかに仕事に集中してもらうか。
第3章では、「結果を出せない部下にかけたい上司の言葉」で、がんばっているが成果がでない部下のモチベーションの上げ方。
第4章では、「ダメな部下もついていきたくなる上司の言葉」で、協調性を身につけてチームとしての団結力を育てる方法。
第5章では、「それでもしっかり働いてほしい、女性部下に伝えたい上司の言葉」で、女性部下特有の悩みの解決法について教えてくれています。
どこの会社にもいそうな問題児のモデルケースを例示して、著者の実体験などをもとに具体的に問題行動に対する対処法や指導法を詳しく示されています。
【感想】
目次を見るとわかりますが、いかにも上司が頭を抱えそうな部下の行動がズラッとならんでいます。
会社の中に「こんな人いるよね」と思うような問題事例が豊富に取り上げられていて、その一つ一つに対して著者の経験をもとに問題を起こす部下の心理状態を明らかにして、それに対する解決策をていねいに示されています。
学者の先生が書かれている本ではなく、実体験をもとにして書かれているので、すべての問題事例に対して、効果的に解決策を導きだされているものばかりでなく、「この行動に対する上司の対応は難しいです。」など、著者の本音の部分も書かれているので、逆に信頼できる感じがしました。
部下の性格的なもの、もって生まれた気性など上司がなかなか直せない部分もありますが、結局は上司の伝え方が9割なのだと感じました。
部下の行動をしっかり見て、話しをじっくりと聞いてあげる、それからその状況にあった言葉を適切にかける、そうすることで問題の多くは解決するのではないでしょうか。
このようなマネジメントの本を読むといつも山本五十六元帥の言葉を思い出します。
「やてみせ 言って聞かせて させてみて ・・・」
まず上司が見本をみせること、それから言って聞かせる、この順番も大事だと思います。上司自身みずから手本を示すような行動をとることがまず一番です。
これができないことには説得力もありませんし、部下も納得してついてきてくれません。部下を変える前に自分の行動に問題はないか、そこを見直すことから部下への指導が始まると感じました。
こんな方におすすめ!
・できない部下に頭を悩ませている上司の方
・チームの士気が上がらず困っている上司の方
・女性部下の扱いが難しいと感じている上司の方
【目次】
第1章 仕事のルールが守れない部下を改心させる上司の言葉 01遅刻が直らない! ① 02遅刻が直らない! ② 03挨拶ができない! 04会議で発言しない! 05ミスを繰り返す! 06期限を守らない! 07正確な情報を報せない! 08評価されていないと言い張る! 09イエスマンばかり! 10電話を取らない! 11自信過剰! 12ため息が多い! 13グチが多い! 14整理整頓ができない! 第2章 言い訳が多い部下を動かす上司の言葉 第3章 結果を出せない部下にかけたい上司の言葉 第4章 ダメな部下もついていきたくなる上司の言葉 第5章 それでもしっかり働いてほしい女性部下に伝えたい上司の言葉 |
【今日紹介した本】
100回言ってもできないダメ部下を動かす上司の言葉
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