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伝わっているか?

公開日: : 最終更新日:2014/12/01 コミュニケーション, 企画・開発 ,

なんとかして「伝えよう」として、がんばればがんばるほど空回りしてしまう。

 

それはなぜでしょうか?

答えは簡単です。

「伝える」ことばなりに集中しすぎると、結局相手のことを考えず、自分の意思を押しつける結果となっているからです。

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題名 伝わっているか?
著者 小西利行(こにし・としゆき)
発行 株式会社宣伝会議

 

内容


 

著者の小西利行氏は、1968年生まれ、POOLinc.代表でコピーライター、クリエイティブ・ディレクター、創作絵本作家、など多方面で活躍されています。

これまで手がけた広告作品は、日産自動車、サントリー、ロート製薬など500本を超え、国内だけでなく海外でも数々の広告賞を受賞されています。

 

本書は「伝える」ではなく相手に「伝わる」にはどうすれば良いか、著者が長年の経験の中から導き出したメソッドをまとめたものです。

相手に「伝わる」ためには、相手のことをたくさん想像しなければなりません。そうすることにより相手の望んでいること、してほしいことがいろいろ思い浮かんできます。

相手のしてほしいことを想像する」のがコミュニケーションには大切で、「伝わる」ためには相手の心が動くようなアイデアが必要となります。

では、そのアイデアはどのように考えたら良いのか?

著者が簡単なコツを教えてくれています。

①相手が「おっ♡」と微笑む瞬間を想像する。そして、②相手が望んでいるコトと、あなたが伝えたいコトが重なる「共感ポイント」を探す

これらのコツの使い方を「伝わるメソッド」」としてまとめ、分かりやすく解説していきます。

 

本書の舞台となっているのは、新宿二丁目で働いていたゲイのももこがママをつとめる昔ながらのスナックです。

そこにふらっと現れた“イルカ”が、相手に「伝わる」ためのコミュニケーションのメソッドを説いていくという内容で話は進んでいきます。(この無理やりな設定も「伝わる」ための仕掛けなのでしょうか…)

 

こんな方におススメ!


 

・口下手でうまく自分の気持ちを伝えられない方
・商品の販促企画メンバーとなり、良いアイデアを探している方
・売れなくなった商品のリニューアルを考えている方

 

感想


 

「伝える」と相手に「伝わる」では、大きな違いがあるという言葉が一番印象に残りました。

普段一生懸命に相手に「伝えよう」として、言葉を選び、ある時は遠まわしに、またある時は相手の態度を見きわめながら「伝える」という努力をしているつもりでしたが、その根本から間違っていたのだと知り大変反省しました。

「伝える」ということは自分の考えを相手に押しつけることであり、相手としてみれば何のメリットもない話を延々とされても、うれしくもなんともないわけですからね。

そこで重要なのは、いかに相手に「伝わる」ようにコミュニケーションをとるかなのです。

相手に「伝わる」ようにするには、相手のことをたくさん想像することが必要になります。それによって相手がしてほしいこと、言ってほしい言葉が浮かんできます。

自分にメリットのある、楽しませてくれるような内容なら相手の方からしっかり耳を傾けますからね。

 

「答えはいつも 相手の中にある」

 

ということなんですね。

例えば本書の伝わる「メソッド⑯『スリーポイント」」というものがあります。これは「目的」と「相手の気持ち」と「その解決策」という3つのポイント押さえるだけで「伝わる」言葉が書けるというものです。

その例としてあげられているのが、職場でつい言ってしまいそうな次の言葉です。

「時間がないんだから、早く仕上げてくれよ!」

う~ん、大変厳しい言葉ですね。このままですとイライラがストレートに伝わってしまい、相手はあせるばかりであまりいい気持ちがしませんね。

これに「伝わるメソッド」を当てはめると次のようになります。

 

目的:期限内に仕上げさせる
相手の気持ち:精一杯頑張ってますよ!
解決策:理解する→期待する

 

さて修正後はどうなったでしょうか。

「頑張ってくれているとは思うが、期限内で出来るかは君にかかっている。しっかり頼んだぞ」

相手の気持ちを考えるだけで、相手が「はい、頑張ります!」とはりきりたくなるような言葉をかけることが出来るようになりますね。

言霊(ことだま)という日本古来の言葉もあるように、言葉にはその人の気持ちがのるものなので、思ったことをすぐ口に出すのではなく、すこし頭の中で整理し相手の気持ちを考えてから言葉や文字にする。そういうクセをつけ気持ちの良いコミュニケーションを心がけていくことにより対人関係がスムーズになると感じました。

 

目次

第一章 伝わる言葉のメソッド

第一話 人気のなかったナポリタンが、たった一日で人気商品になった理由とは?
第二話 ブサイクな男ふたりが、会社一の美人と合コンできた理由とは?
第三話 商店街の不法投棄ゴミが、たった一晩でなくなった理由とは?

第二章 伝わる仕事のメソッド

第四話 何もない過疎の村に、突如観光客が押し寄せた理由とは?
第五話 ダメ社員のアイデアが、いきなり褒められるようになった理由とは?
第六話 お金を一円も使わず、新商品が飛ぶように売れた理由とは?

第三章 伝わる考え方のメソッド

第七話 離婚寸前の夫婦が、仲睦まじい夫婦になった理由とは?
第八話 嫌われ者だった部長が、部下に慕われる憧れの上司になれた理由とは?
第九話 潰れかけたゲイバーが、大繁盛した理由とは?

最終章 伝わる考え方のメソッド

第十話 考えるのが苦手だったももこが、頑張って考えるようになった理由とは?

 

【今日紹介した本】

伝わっているか?

 

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