成功する転職「5%」の法則 プロが教える転職の「真実」
転職された方の95%はキャリアダウンしているということは、転職業界内のプロの間では常識となっています。
そうならないために多くの情報を持ち、人材紹介業全体のことをつかんでおくことが大切です。
本書は、転職することの意義を真剣に考え、成功する転職とは何かを考えていきます。
題名 成功する転職「5%」の法則──プロが教える転職の「真実」
著者 小林毅(こばやし・たけし)
発行 株式会社自由国民社
定価 1,400円+税
内容
著者の小林毅さんは岡山県生まれ。自身も4社3度の転職活動を経験する。外資系人材ヘッドハント会社を経て、現在はホライズン・コンサルティング株式会社代表取締役として数々のマッチングを手掛けています。
著者は、人材コンサルタントとして、多くの求職者の方々と接してきました。それも、高学歴で社会的地位の高い人が中心です。
しかし、そのようなエリートでもひとつボタンを掛け違えると、たちまちキャリアを落としてしまい、能力が発揮できる場を失ってしまう現状を目にしてきました。
その原因の多くが、求職者の準備不足と人材紹介会社の情報操作によるものであると言います。
一度踏み外してしまったキャリアダウンという状況を回復することは、とても困難であるという現実を知ってもらいたいという想いで本書は書かれています。
1章では、社員が素人同然だという人材紹介会社の実態をリアルに紹介します。
2章では、退職ありきで転職しようとするなど、転職しないほうがよい人の実例を挙げます。
3章では、転職者が言葉につまってしまう、転職を思いとどまるための質問例を紹介します。
4章では、それでも転職をすると決断したときの転職準備1年計画を教えています。
こんな方におススメ!
☆真剣に転職を考えている方
☆良い人材紹介会社を探している方
☆転職によるキャリアアップを考えている方
感想
キャリアアップしない転職に意味はない!
これが、著者が転職をサポートする上でのモットーです。(P.8)
転職された方の95%はキャリアダウンしているという数字は、転職業界内のプロの常識となっていると言います。
転職という人生の大きな決断を、あまりにも軽く考えている求職者と、それをサポートするにはあまりにも経験が不足しているコンサルタントの存在が、この数字をつくり出しているのです。
著者は、5%の成功例ではなく転職に失敗する95%の事実に焦点をあて、不幸な転職者にならないよう、さまざまな実例を混ぜつつ転職することの意義を真剣に伝えています。
転職に関する書籍は、いかに転職を成功させるかという部分にスポットをあてているものが多いと感じますが、本書は転職というもののリスクを前面に出し、いかに転職をしないですませるかを考えます。
また、転職をすると決断した場合には、近視的な転職活動ではなく、長期的な視点に立って、現在の仕事に対する姿勢から指導してくれています。
要は、あいまいで中途半端な気持ちで転職を考えてしまうと、人材紹介会社にいいように利用されてしまい、結果的に自分だけでなく家族も巻き込み不幸になってしまうというシビアな現実を教えてくれているのです。
そして、人材紹介会社を通じた転職活動については、こんなことも言っています。
転職は外科手術と同じ
一口に医者と言っても腕の良い医者もいれば、そうでない医者もいます。ろくに診断もしないで患者の言うことをそのまま聞き、患者の症状や体力を考えもしないで、すぐに手術をしてしまう。
こんなヤブ医者に当ってしまうと、必要のない手術を受けてしまい、良くなるどころか体はボロボロで、逆に寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。
本書は、転職に失敗した多くの方々を見てきた著者の立場から、転職を安易に考えている方に対しては、厳しい言葉でいさめ、また真剣に転職でスキルアップを目指している方には、そのノウハウをやさしく教えてくれる、失敗しないための転職の指南書です。
目次
1章 ちょっと待った! その転職、止めたほうが幸せです。
2章 転職しないほうが幸せになる人の9つの共通点 3章 転職を思いとどまれる! 紹介会社が決してしない13の質問 4章 それでも会社を辞めたいあなたの「転職準備1年計画」6ステップ |
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成功する転職「5%」の法則──プロが教える転職の「真実」
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