「原因」と「結果」の法則
私たちは自分の心で考えたとおりの人間になり、その人生で過ごします。
私たちを取りまく環境は、真の私たちの姿を映し出す鏡にほかなりません。
題名 「原因」と「結果」の法則
著者 ジェームズ・アレン(JAMES ALLEN)
訳者 坂本貢一(さかもと・こういち)
発行 株式会社サンマーク出版
内容
著者のジェームズ・アレンは、英国が生んだ謎の哲学者です。1864年に生まれ、家庭の事情から15歳で学校を退学、さまざまな職に就きながら作家を目指し、38歳から執筆活動に専念します。
作家としての活動期間は9年と短いですが、1902年に書かれた本書「AS A MAN THINKETH」は、世界の歴史上もっとも多くの読者を獲得してきた自己啓発書とも言われています。
本書は、欧米の自己啓発書作家たちに大きな影響を与え、「近年の自己啓発書の多くは、ジェームズ・アレンのシンプルな哲学に具体的な事例で補足し、複雑化したものにすぎない」と指摘する人もいるほどです。
私たちの人生は、ある確かな法則にしたがって創られています。私たちがどんな策略をもちいようと、その法則を変えることはできません。
私たちの心の中の思いが、私たち自身の環境と運命を創り上げています。それは、ある確かな法則にしたがって創られていて、どんな策略をもちいようと、その法則を変えることはできないと言います。
『「原因」と「結果」の法則』の仕組みを理解し、自分自身の内側の「原因」を改善しながら、外側の「結果」に戦いを挑むことで自分がなろうとしている人間になれると教えてくれています。
こんな方におススメ!
◇今現在、自分の置かれている状況に満足していない方
◇自分はツイテいないと感じている方
◇「成功」を手にしたいと考えている方
感想
「原因」と「結果」の法則はいろいろな雑誌等で、自己啓発書の定番として紹介されているので、ぜひ読んでみたいと思っていた本です。ページ数は95ページと薄い本ですが、シンプルながら人間の心理をよくとらえた奥深い内容となっていました。
私たちの人生は自分が思っているか、そうでないかに関わらず、自分が考えているとおりの人生になると言います。なんだか怖い言い回しですね。
自分がこうなりたいと思って意識的に行動しているならともかく、無意識の想いによって人生を決めてしまっている。その人生が納得いくものであれば良いのですが、逆の場合ですと何か切ないものがあります。
著者は、人生には法則があるとして、自分が思った通りの人生を歩むことができる、「原因」と「結果」の法則を解き明かし本書の中で教えてくれています。
法則の仕組みは、心の中に蒔かれた思いという種が、それ自身と同種のモノを生み出し、花開き、やがて自分の置かれている環境という実を結ばせるというものです。
ですので、良い思いは良い実を、悪い思いは悪い実を結ぶのです。内側の世界の心の思いが外側の世界の環境を形作るということなのです。
だから良い人生を送りたいならば「原因」を改善することが第一としています。「原因」は自分自身の中にあり、自分自身を改善するということは真の意味で、自己犠牲を払うことだと著者は言います。
例えば社内で認めてもらいたい、あるいは転職するために資格をとりたいと思った場合にはどんな自己犠牲が考えられるでしょうか。
働きながらの勉強ですので、勉強時間を確保するために睡眠時間を削る、テレビや趣味の時間を短くする、あるいは教材購入の為の出費をするなどが考えられます。
今の生活を変え成功したと考えた時には、その変化に見合うだけの対価を支払わないといけないということなのでしょう。
私たちは、犠牲を払うことなくしては、いかなる進歩も成功も望めません
少し厳しいような言葉ですけど、まさにその通りですね。
成功を手にできないでいる人たちは、自分の欲望をまったく犠牲にしていない人たちです
楽して何の努力もしない、自分に厳しくない人には成功は訪れないということでしょうか。
いろいろな自己啓発書出版されていますが、だいたいどこかで聞いたことがあるようなフレーズが多く見受けられます。その源流が「原因」と「結果」の法則であり、この本を読むことで自分の人生を良い方向へ方向転換できる、そんな可能性を秘めた内容だと感じました。
目次
はじめに思いと人格思いと環境
思いと健康 思いと目標 思いと成功 ビジョン 穏やかな心 |
【今日紹介した本】
「原因」と「結果」の法則
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