俺のフィロソフィ 仕組みで勝って、人で圧勝する俺のイタリアン成功哲学
どんなに素晴らしいビジネスモデルを考えても、人を大切にしない企業は伸びません。
人を大切にしないということは、耕作し種をまいて水をやって芽が出てきたのに、そこから先まったく手をかけないのと同じです。
人に声をかけてあげる、その気持ちというのは植物にとっての日光や水みたいなものなのです。
題名 俺のフィロソフィ 仕組みで勝って、人で圧勝する俺のイタリアンの成功哲学
著者 語り手:坂本孝 聞き手:福井康夫
発行 株式会社商業界
内容
本書の登場人物は二名いらっしゃいます。一人目は福井康夫氏です。1968年生まれ、旧三和銀行からセブン-イレブン・ジャパンに転職。約8年にわたる流通現場の経験を生かし、覆面調査、販売促進などを行う株式会社メディアフラッグを設立し、2012年に東証マザーズに上場されています。
もう一名は坂本孝氏です。中古書籍販売のブックオフの創業者として有名ですが、現在では「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」など高級レストランの料理を3分の1の価格で提供するビジネスモデルで銀座を中心に破竹の勢いで店舗数を増やしています。
師匠と崇拝する坂本孝氏に福井氏が企業経営について質問する形式で話は進んでいきます。
坂本孝氏は自身の経営の在り方を「仕組みで勝って、人で圧勝する」と語っています。「俺の」シリーズやブックオフのような独創的な「仕組み」をつくり、そして社員のやる気・モチベーションを引き出すことで圧勝する。これが坂本氏の経営のキモとなっています。
この言葉にならい、第一部「仕組みで勝つ」、第二部「人で圧勝する」、第三部「経営の資質」で構成されています。
二人のリアルな経営問答を通じて、坂本孝氏の「フィロソフィ(哲学)」を吸収し経営のエッセンスを学ぶことができる内容となっています。
こんな方におススメ!
・独立起業を目指して準備をされている方
・売上減、社内不和に悩む経営者の方
・「俺の」シリーズをもっとよく知りたい常連の方
感想
ブックオフ創業者であり、「俺のイタリアン」などを経営する俺の株式会社代表取締役社長・坂本孝氏を師と仰ぐ、メディアフラッグ代表取締役社長の福井康夫氏が企業経営について質問をする形式で話は進んでいきます。
ベテラン経営者が若手経営者に対して気軽にアドバイスしている風景が目に浮かんでくるような感じでかた苦しくなく、その場に一緒にいるような錯覚におちいりました。
サブタイトルに「仕組みで勝って、人で圧勝する」とありますが、本書全体として仕組みについての話しより人の能力ややる気をいかに伸ばすかという内容が多く、企業における人の重要性をあらためて認識させられました。
人が会社のために十分に力を発揮するには経営理念の浸透が必要と語っています。社長が出した指示がすばやく全社員に伝わるには理念という潤滑油が重要で、これがしっかり浸透していれば指示が理念という油にのってスーッと流れていくもののようです。
理念を浸透させる方法はとにかく言い続けることです。朝礼で、会議で、飲み会の席で常に言葉に出し語ることで少しずつ理解し自分の理念として昇華されていくものなのです。
後半の第十章「チャンスをつかむ発想の源泉」にも興味をひかれました。坂本孝氏が新しいビジネスをつくる時にどのように世の中を見て発想しているか語っている章です。心に残った言葉は以下です。
自分で並ぶ、自腹で買う
行列している店に自分の足で行ってみて並んで自腹で食べる。本屋を歩き回ってトレンドをよく観察する。コンビニへ行って今売れている商品をカゴにどっさり入れてもらう。
など、他人からの情報ではなく、実際に自分で出向いて体験してみる。そこからアイデアが湧いてくるようです。
情報は質より量とも語っています。何がどう役立つか分からないので、とにかく分母を大きくして面を広げ常に自分のビジネスにつながらないか考えるようにする。そういう訓練をすることで、ある日フッと情報と商売がつながり今までにないアイデアがひらめくようです。
目次
はじめに 異彩の経営者 坂本孝氏との出会い 福井康夫
第一部 仕組みで勝つ 第一章 二勝十敗の企業家 第二部 人で圧勝する 第三章 理念は潤滑油である 第三部 経営者の資質 第九章 リスクをとり、渦の中心になれ おわりに 憧れの街、銀座にて 坂本孝 |
【今日紹介した本】
俺のフィロソフィ 仕組みで勝って、人で圧勝する俺のイタリアンの成功哲学
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