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KINGJIM ヒット文具を生み続ける独創のセオリー

独創的なアイデアを実現し、ユニークな商品を次々と世に送りだすキングジム。

どのような組織運営で意思決定はどのようにされているのでしょうか。

本書は、キングジム流「組織運営の奥義」をすべて明かしていきます。

題名 KING JIM ヒット文具を生み続ける独創のセオリー
著者 宮本彰(みやもと・あきら)
発行 株式会社河出書房新社

内容

著者の宮本彰さんは、1954年生まれ。慶応義塾大学卒業後、祖父が創業した文具メーカーであるキングジムに入社されます。

88年には大ヒット商品「テプラ」、その後「ポメラ」「ショットノート」をはじめ、ちょっと変わったユニークな商品を次々と世に送り出しています。

本書は、企画開発部門の話しを中心として、堅実な老舗文具メーカーが独創的でユニークな商品を開発する会社に変わっていったエピソードを紹介します。

また、代表取締役である著者が若々しくて創造的でエネルギッシュな会社にするために心がけてきたことを、今までの苦労を振り返りながらまとめています。

1章では、「欲しい」と「買いたい」商品は違うという話を起点として、過去の成功セオリーを超越するノウハウについて。

2章では、コミュニケーションを促し、社員の独創性が開花する組織づくりについて。

3章では、ヒット商品・ボツ商品の明暗について。

4章では、挑戦し続ける組織にするためになすべきことについて。

5章では、クリエイティブな組織を束ねるリーダーの務めについて、語っています。

こんな方におススメ

☆組織のリーダーを務める方
☆クリエイティブな職種に就かれている方
☆企画開発部門の方

感想

キングジム自体は中小企業ではないですけど、小さい会社でも必要とされ生き残っていく方法を教えてくれています。

“誰もが欲しがる商品=ヒット商品”ではなく、

たとえ一部の人であっても「強烈に欲しい」と思ってもらえる商品がヒットにつながるのであり、万人受けを目指すのではなく、ねらったターゲットに“刺さる”アプローチのほうが確実に効果をあげることができるのです。

キングジムの場合は、多機能で差別化するのではなく、むしろ不要な機能は欲しくないというユーザーをターゲットにして機能をしぼり込んでいくことで成功を納めています。

メーカーとしては、ついつい機能を増やすことで、他製品との差別化を考えてしまいますが、消費者からしてみれば、その機能を全部使いこなせるわけではなく、かえって使い方が難しくなり、あってもなんのメリットにならない場合もありますからね。

また、アンケート調査などの市場調査は使用していないと言います。市場調査は、質問の内容や先入観などにより結果が変わります。消費行動は本当に複雑で調査をしたからといって簡単に結論が出るわけではないのです。

ですから、事前調査よりもスピーディーな市場投入を目指し、商品のヒットは「10打数1安打」でいいとわりきり、ダメもとで市場へ送り出しています。慎重になりすぎて、可能性の芽を摘んでしまうほうが大きな損失であると考えているのです。

市場は小さくても、シェアナンバーワンを目指す。ビジネスの世界でのファーストペンギンになることをポリシーにして、危険をおそれずにつき進んでいく姿が印象に残りました。

目次

プロローグ 売れるかどうかわからない・・・ ならば商品化はGOだ!
1章 「10打数1安打」を目標にヒットを連発する
2章 失敗を責めない。だから奇抜なアイデアが生まれる
3章 成功と失敗を分けた まさかの原因を明かそう
4章 会社のDNAから創造性をどう発現させるか
5章 面白くないことはしない。これがリーダーの務め

【今回紹介した本】
KING JIM ヒット文具を生み続ける独創のセオリー

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