ひとつになって会社を変える 会社改革の物語
本書は、重苦しい閉塞感が充満し停滞ムードからぬけ出せないでいる企業が舞台です。
その停滞から抜け出そうと、まず自社をつくり上げているDNAを探し出し、そのDNAを軸にビジョナリーカンパニーを目指します。
全員で会社を変革する24か月の熱い戦いの物語です。
題名 組織の起動スイッチ!
著者 丸山琢真(まるやま・たくま)
発行 株式会社かんき出版
内 容
著者の丸山琢真氏は外資系人事戦略コンサルティング会社を経て、株式会社エバーブルーを設立し、代表取締役として活躍されています。
経営理念を「ミッション・ビジョン・バリュー」というように分かりやすく定義し、経営理念の浸透を図り行動化につなげるなど、経営に魂を入れる熱いコンサルティングを展開されています。
また、アウトドアを使い「心」を動かすユニークなコンサルティングは、高い評価を得ています。
飲食関連のエリアマーケティングを手掛ける㈱フードミックスという架空の会社を舞台に一つの物語として話は進んでいきます。
売上は順調に伸び、一見すると経営にまったく問題なさそうな㈱フードミックスですが、経営コンサルタント黒田の登場により、今まで見えなかった経営問題がうきぼりになってきます。
それに対し経営者としてどう考え、どう対処していけばよいか、黒田の助言のもと、㈱フードミックスの若い経営者は学んでいきます。
組織を立ちいかせなくさせる社員一人ひとりのドロドロした思いや、負の感情、そして社内の政治といった、どの会社でも起きそうな現実を物語の中でうまく表現してあります。
こんな方におススメ!
・会社の進むべき方向性が見えないと不安になっている方
・社内の雰囲気が悪く、社員の気持ちがバラバラになっていると感じている方
・これから経営理念を作成しようとされている経営者及びプロジェクトチームの方
感 想
物語を通して経営戦略立案法とそれを実行するための手順を経営者の目線からわかりやすく伝えています。
経営戦略をつくったはいいが、ただ単につくっただけで、社員にはさっぱり浸透していない。あるいは、そんなものがあるのかどうかも分からない。
そんな会社も多いのではないでしょうか。なぜ経営目標、経営戦略が認知されていないかというと、経営者がその作業を怠っている場合が多いのではないでしょうか?
本書の中で著者はこう語っています。
「経営陣として最も大切な役割―目標を明確に掲げ、全員が絶対達成するという執念を持つこと・持たせること」
その通りですね。自社の良い点、悪い点など拾い出し目標をつくるのは案外と簡単にできることですが、それを社員にわかりやすく説明し「腑に落ちて理解」してもらうことはかなり難しいことです。
成功のカギは「ワクワク感」だと思います。社員が自社の将来像をはっきりとイメージでき、それを達成した時の自分の姿を思い浮かべることができる。
自社の明るい未来がクリアに想像できることができれば、当然やる気も出てきます。「ワクワク感」も増していきます。いかに社員に成功している会社の未来をイメージさせることができるかが、経営目標達成のカギではないでしょうか。
目 次
第1章 新米取締役のジレンマ 第2章 経営陣、腹をくくる 第3章 社員に変革のスイッチが入った! 第4章 改革、正念場へ 第5章 死の谷を乗り越えて |
【今日読んだ本】
組織の起動スイッチ!
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