反省しない。
失敗してもいいから、少しでもいいので行動してみましょう。
行動していけば、地域も会社もあなたも元気になって変わっていくはずです。
題名 DVD付 反省しない。 (経営)
著者 樋渡啓祐(ひわたし・けいすけ)
発行 株式会社KADOKAWA
内容
著者の樋渡啓祐氏は、1969年佐賀県武雄市生まれ。東京大学を卒業後、総務省へ入庁。退職後2006年に武雄市長に当選し、当時の全国最年少市長として脚光を浴びました。
その後も「佐賀のがばいばあちゃん」のロケ誘致やTSUTAYAを運営するCCCを指定管理者として図書館をリニューアルオープンするなど、持ち前のユニークな発想力と大胆な行動力で市の活性化を実現されています。
2006年から現在までの市長としての活動を振り返り成功した改革、それとは逆に失敗した改革も書き綴っています。
著者いわく、成功したものはマスコミなどに取り上げられ注目を浴び、ほとんどの改革がうまくいっているような印象を与えてしまっているが、実際に成功した改革は1割程度でしかない。
けれど、失敗したということは行動したということであり、何の行動もなければ失敗もない「失敗は変革の必要経費だ」として、失敗を恐れないこと、勇気を持つことが重要としています。
また、ある程度の構想が固まったらとりあえずやってみる、動きながら考える。そうすると改善点や新たな方向性が見えてくるので、修正をしながら進むことでより完成度の高いものになる。
「うまくいっていない部分を嘆くより、うまくいっている部分を伸ばしたほうがいい」
「うまくいっている部分がないなら、うまくいきそうな部分をさらに伸ばせばいい」
として、“失敗を反省しない”つまり“短所を嘆かない”という意識をつよく本書の中で伝えてくれています。
こんな方におススメ!
・マンネリで成長性のない組織を変えたいと考えている方
・タイミングが悪く物事がうまく進まない方
・やりたくない仕事をさせられて、いやでイヤでたまらない方
感想
自分の進む方向性を信じて、まっすぐに突き進んでいく樋渡氏の信念を感じる内容でした。
進むスピードや革新的な内容がすべての市民の理想とするものではなく、時に利益団体や変革を好まない方から批判の声もあるようですが、一部の人の利益ではなく大多数の市民の幸せにつながると信じて市政を全うされている姿に共感しました。
著者の言われる言葉で心に残ったのが、
過去の成功例は死体
過去の成功例にこだわることの愚かさを指摘されています。
イベントの場合など、前年成功したからと言って、今年も同じ内容で行う。当たりさわりなくそれなりに成功するかもしれないがマンネリで参加者が飽きてくる可能性もあり、何より発展性がない。変えることで逆に不満が出るかもしれないが、より良いものを目指すのであれば、変える勇気を持つことをすすめています。
また、新しいプランを考えるときの判断基準として次のように語っています。
自分が欲しいから、つくる
例えば図書館をつくる場合は、主語として「自分」と「市民」があります。その両者で「自分ならどうか」と「市民ならどうか」と考えるのだそうです。
1番目、「市民」は使うかもしれないが「自分」は使わないプラン。
2番目、「自分」は使いたいし「市民」も使うかもしれないプラン。
あなたならどちらを選びますか?2番目のプランは本人に自信があり使う気がある。それで市民も利用するだろうという見込みがあれば、それは受け入れられるプランである可能性が高いとされています。
iphone、ipadで成功した、スティーブ・ジョブズの言葉も引き合いに出されています。
自分が欲しいかどうか、自分を主語に
市民を無視した強権政治と見られてしまいがちですが、それくらいの当事者意識がないと物事はうまくいかないと語っています。これは政治の世界だけでなく、商品開発の場合でもおおいに使えそうな言葉ですね。
目次
第1章 スピードは最大の付加価値 思い立ったらまず行動
第2章 完成力より修正力 走りながら変えていく 第3章 チームで動くVS1人で動く 第4章 組織コトバを学ぶ、翻訳する 第5章 横並びを無視する 第6章 イヤなことは記号化する 若手にどうしても伝えたいこと |
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