他人の意見に惑わされず自分の人生は、自分の意志で決定するべきもの
あなたは心の底から自分自身のことを信用できていますか。
あなたは自分自身を本当に大切にしていますか。
人は自己の延長線でしか、他人を理解できません。
自分がイタイとわかるから、他人もイタイのだと理解できます。
他人を思う気持ちは、自分を信用していない人にはできません。
たとえば本当に家族を大切にしたければ、まず自分自身を心から大切にする人になる必要があります。
題名:救う力 人のために、自分のために、いまあなたができること
著者:吉岡秀人(よしおか・ひでと)
発行:株式会社廣済堂出版
【内 容】
著者の吉岡秀人氏は1965年大阪生まれの医師です。2000年国際医療ボランティア団体「ジャパンハート」を設立、海外での医療活動のほか、災害孤児の養育支援や学校での保健・衛生教育事業など、さまざまな取り組みを行っています。
本書は吉岡氏が医師を目指すきっかけ、そしてなぜ医療ボランティアに従事するようになったのか、そしてその現場で何を見て、どう成長してきたのかなど著者の半生をひも解きながら、人生や幸せといったテーマについて真剣に考えていく内容となっています。
第1章「自信を失っているあなたへ」では、一歩を踏み出せないでいる人に対して、自分を信じることの必要性を説きます。そして自分に自信が持てないのは常識が足かせになっていて、その常識もちっぽけな世界でしか通用しない“ローカルルール”の場合が多いので、志す道をふさぐ「常識」は踏みつぶせ!とエールをおくっています。
第2章「孤独を感じているあなたへ」では、一人ぼっちが寂しいだけのエセ孤独感に身をついやすなと言います。自分の孤独と向き合うことは、成長していくためのタンレンとして欠かせず、受け身でない「能動的な孤独」をすすめています。また自分の周りの親しい人がさっていったとしても、選択した道に応じた新しい出会いがあると教えてくれています。
第3章は「本気になり切れないあなたへ」では、天は本気の人間に使命を与える。だから本気になれない人間には、天職を手にするチャンスは訪れないと語ります。天職かどうかすぐには分からないが、正解を探り当てるヒントは仕事と一体化するほど没入すること。そうすることで仕事の本質が見え、自分に合うかどうかも肌で感じることができるようになると教えます。
第4章「挫折感で立ち直れないあなたへ」では、自分が今、不調だと感じていても人生という長い時間軸で見れば一時の不調で落ち込むなんてバカらしい、時間軸の設定で自分にとっての「流れ」はまったく別物になるということを教えてくれています。
第5章「輝く未来を持つあなたへ」では、今の自分に実力がないからと選択を先延ばしすることをイサメテいます。自分の人生に深く関与したいと思うなら選択と決断を遅らせるなとエールを送っています。
こんな方におすすめ!
・人生の目的がない、見つからない方
・やることがうまくいかず自信を失っている方
・医療現場で働きたいと考えている方
【感 想】
著者の吉岡氏は信念のしっかりした人だと感じました。医師になろうとしたきっかけはささいなことでしたが、目標を見つけてからはわき目もふらずまっすぐつき進む行動力はすばらしいものがあります。
その過程で不安、挫折、孤独があったようですが、自分の気持ちに素直に従い様々な困難をのり越えてきました。
自分の出した答えが例え100%のものでなかったとしても、納得して行動していますので後悔はされていません。
これがもし他人の指示に従い行動した結果、失敗だった場合であればきっと悔やむにちがいありません。
信念をもって自分の気持ちに素直に従うこと、その重要性を学ぶことができました。
吉岡氏のように早いうちから自分のやりたいこと、目標が見つかって、それにつき進める人はよいですが、大多数の人は人生の目的・目標がない(私もそうですが…反省)あるいは見つからない場合が多いのではないでしょうか。
でもそう簡単には、人生の目標なんて見つかるはずはありません。人生の目的なんて誰かが用意してくれるわけでも、どこかに行けば見つかるようなものでもないですからね。
ではどうするか。著者は以下のように語っています。
「人生の目的は、行動するプロセスの中でしか見つからない。目的なんてすぐに見つかるものじゃないから、とりあえず前に進む。良いことも悪いことも全部経験しながら前に進む。そのプロセスで自分が何者か知る。あるいは人としての成長を自覚する。それこそが人生の目的だ」
と伝えています。
そして、そのプロセスをたどるため、あとで悔やまないために、今から一歩を踏み出そう。進むことに人生の意味がある。そう背中を押してくれているような気がします。
目次
第1章 自信を失っているあなたへ 第2章 孤独感を感じているあなたへ 第3章 本気になり切れないあなたへ 第4章 挫折感で立ち直れないあなたへ 第5章 輝く未来を持つあなたへ |
【今日紹介した本】
救う力 人のために、自分のために、いまあなたができること
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