ホンダ流ワイガヤのすすめ 大ヒットはいつも偶然のひとことから生まれる
会議が楽しくて何時間でも話しを続けていたい。こんな感覚を味わったことはありますか?
会議なんて時間のムダだと思っている人が大半かもしれません。でもこの本を読むことで、すごいアイデアがしっかりとした形になるコミュニケーションの方法を知ることができます。
題名 ホンダ流のワイガヤのすすめ 大ヒットはいつも偶然のひとことから生まれる
著者 本間日義(ほんま・ひよし)
発行 朝日新聞出版
内容
著者の本間日義さんは、1949年生まれ。国立工業高等専門学校卒業後、高度経済成長真っ盛りの1970年に株式会社本田技研工業に入社し、研究開発部門に配属。
20代後半には、「シティ(CITY)」開発プロジェクトの車体設計担当の一人として参画し大ヒットにつなげる。その後も「フィット(FIT)」の商品開発統括責任者(RAD)を努め、こちらも大ヒット車となる。
2005年に株式会社ホンダアクセス常務取締役に就任、2009年に退職し現在はR&D HOMMA代表として活躍されている。
車そのものだけでなく車を通したライフスタイルまでも提案し、大ヒット車を世に送り出してきたホンダ。その伝統の会議手法である「ワイガヤ」について著者の経験を踏まえて教えてくれる内容です。
「ワイガヤ」とは“集団的な議論を重ね、ものごとの本質に深くアプローチし、結果として高い価値やイノベーションを生み出すための効果的なミーティング手法”です。
その語源は「ワイワイガヤガヤ」であり、自由に話し合いをしながらテーマを共有し、解決策を生み出すために行います。
しかし、「ワイガヤ」がもたらす効果はそれだけでなく、部署を超えた良好なコミュニケーションがとれるようになり、さらには会社全体の一体感も増していくのです。
「報告会となっていて新しいアイデアが一つも形にならない」
「上司だけが一方的に話すだけ」
など、現状の会議を変え、新たな価値を生み出したいと考えている方に読んでいただきたい一冊です。
こんな方におススメ!
☆活発な意見が出て、すごいアイデアが生まれる会議をしたい方
☆皆の考えを終結して、価値ある商品を生み出したい方
☆部署の垣根を超えた、話し合いの場を設けたいと考えている方
感想
数字だけがひたすらに読み上げられる・・・
過去の振り返りだけで発展的な話し合いがなされない・・・
上司だけが一方的に話し、部下はそれを黙って聞くだけ・・・
そんな会議に飽きあきしている方にとっては、ぜひ取り入れたい会議の手法です。
自分の夢や考えを自由に話すことができる環境があり、それに対して周りの人からの意見や反応がしっかりある。そんな議論を積み重ねていくことで、自分一人ではとても考えつかないような革新的なアイデアやものごとの本質にアプローチした解決策にたどり着く。
こんな生産的な話し合いでしたら著者の言うとおり、会議が楽しくて何時間でも続けていたいと思えるのでしょう。
本書の中では、こういう盛り上がる会議にするためのポイントを教えてくれているのですが、重要なものの一つが「テーマ選び」です。このテーマ選びの良し悪しで、その後に出される結論のレベルも決まってしまうからです。
悪いテーマの例として、「差の価値しか生まないレベルのテーマ」を上げています。
例えば、前年より数%利益を改善させる。すでに販売している商品に他社にはない仕様を付加する。など、今ある枠組みの中でしか話をふくらませることができないテーマですと、話し合いも盛り上がらず、ワクワクするような改善策などもでてこなくなるようです。
会議が活発になり、今までにないような革新的なアイデアがでるようになるテーマとは、「すでにある製品とはまったく違ったものをつくり出そうとするテーマ」を掲げるのが良いと著者は言います。抽象的ではあるが高い次元の理念を実現させるようなテーマであれば、型にはまらない自分の考えが次々と出てきまし、ワイワイガヤガヤ夢を語りながら楽しくアイデアを語り合える会議になると教えてくれています。
今までと同じやり方をしていたら、これまでと似たようなアイデアしかでてきません。部署・部門という枠組み、あるいは新製品開発手法という既存のやり方を壊す(変える)ことからイノベーションが始まると感じました。
目次
第1章 なぜいま、ワイガヤなのか
第2章 ワイガヤが新しい価値を生む理由 第3章 ワイガヤを実践する 第4章 ワイガヤ実況中継 第5章 ワイガヤが日本を変える! |
【今日おススメした本】
ホンダ流のワイガヤのすすめ 大ヒットはいつも偶然のひとことから生まれる
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