何もせずにダラダラ過ごせば、アイデアも生まれやすくなる!?
公開日:
:
最終更新日:2014/12/05
メンタル・心理 アンドリュー・スマート, 草思社
これは何もしないでいるための本です。
私たちはそんなに頑張るべきではありません。
というよりも、何もしないほうがいいくらいなのです。
この本を読めば、なにもせずにのんびりと過ごすことが自分を知る唯一の正しい道かもしれないと思うようになるでしょう。
何もしないでいるときにふと意識に浮かび上がってくるのは、無意識からのメッセージかもしれません。
題名 できる人はダラダラ上手: アイデアを生む脳のオートパイロット機能
著者 アンドリュー・スマート(Andrew Smart)
訳者 月沢季歌子
発行 株式会社草思社
内 容
著者のアンドリュー・スマート氏はスウェーデン生まれの神経科学研究者です。ADHD(注意欠陥多動性障害)の子どもの記憶に関する研究に携わったほか、言語処理における脳の画像イメージ分析にも携わっています。本書は氏が初めて書き下ろした本です。
効率重視、仕事がさらに仕事を生む現代社会に対して神経科学研究者の立場から警笛をならし、会社にしばられない人間本来の、自然の道理にかなった生き方を提唱しています。
「脳を安静にする時間が多い人ほど“ひらめき”の瞬間も多くなる」
「複雑な脳のネットワークは休むことで血流が増え、活性化する」
効率を追い求め、生産性向上のみを目標として活動していくと、イノベーションを求められるような業務では逆にヘイガイとなる。
人間の脳が創造性を発揮するには、長い休息、ストレスの低減、自由が不可欠であり、ダラダラすること、休むことが社会的にも、政治的によい変化をもたらす最も効果的な方法かもしれないと本書は提案しています。
感 想
まじめに一生懸命に働くことが「善」、ダラダラと怠惰に過ごすことが「悪」、こんな両極端の風潮に対して著者は異論を投げかけています。
会社の言われたとおり、時間通りに効率的に働くことを「善」とするのは、経営者(支配者)側の都合でつくられた概念であり、私たちは何も疑うことなくそれにしばられて、生きることに対してのきゅうくつ感をあたり前のことと勘違いして生きている。
なぜそんなに忙しく、自分の感情を押し殺してまで働き続けるのか? (スウェーデン人の著者ですが、本文中に日本の「過労死」という単語も登場しています。)
収入を得て良い暮らしがしたいと思うことは自然のことですが、周りと自分を比べて必要以上に上を目指すことが本当に幸せなことなのか。
家族が生活していけるだけの稼ぎを得させすれば、あとは無理をしない。そうすればもっと自由で自分らしい生き方ができる。そして“生きる”ということをもっと実感できるのではないか。
たしかに会社に勤めはじめると組織の歯車の一部となり、自分だけダラダラとはできにくいのですが。生活が仕事中心にならないよう、ちゃんと息抜きをしながら働くことは精神的にも良いですし、脳の働きも活発になるので必要と感じました。
やる時はやる、休む時はしっかり休む。メリハリが大事ですね。
目 次
INTRODUCTION わたしたちは何もしないほうがいい CHAPTER1 いつから、何もしないことが罪になったのか CHAPTER2 脳は何もしていないときほど活発に活動する CHAPTER3 万有引力の法則もリラックスしている瞬間に生まれた CHAPTER4 忙しすぎる子ほど、創造性に欠ける CHAPTER5 人間はオートパイロットを求めている CHAPTER6 タイムマネジメント教が現代人を滅ぼす CHAPTER7 嫌われ者のノイズこそ愛すべき友 CHAPTER8 シックスシグマは脳の発作である CHAPTER9 労働が、地球を破壊している |
【今日紹介した本】
できる人はダラダラ上手: アイデアを生む脳のオートパイロット機能
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