「口コミ」で売れる!絶大な影響力を持つキーパーソンとは?
「口コミ」で絶大な影響力を発揮するキーパーソン。
キーパーソンとはいったい何者なのでしょう?
その正体とキーパーソンの見つけ方、動かし方、そして実際にビジネスに役立てるための応用を考えていきます。
題名 キーパーソン・マーケティング
著者 山本晶
発行 東洋経済新報社
【感想】
「キーパーソン・マーケティング」本棚にあるこの本がたまたま目にとまりパラパラめくってみました。著者は大学の先生で「口コミ」について研究しているとのことでした。
マーケティングについて研究している先生、またはマーケティング全般についての書籍は多くありますが、マーケティングの中の「口コミ」に特化した本は珍しく(「口コミ」をテーマに研究している先生がいたとはおどろきました…)たいへん興味をひかれました。
わたしの会社でもHPやフェイスブックページをやっていて、それなりにソーシャルメディアを使い情報発信していますが、いまいち、その使い方とどこに向けて発信したらよいか迷うことがあり、とりあえず定期的に更新しているというのが現状です。
本書の題名でもある「キーパーソン」という言葉はなんとなく聞いたことがありますが、はっきりとは記憶していませんでした。わかることと言えば、「キーパーソン」とは、積極的にあるいはそうでなくても、情報を発信してくれる人で、その例として話す職業の人(先生、美容師など)、みんながあこがれている人(社長、リーダーなど)、発信力のあるブロガーなどがあったと思います。
さて本書第2部では、実際の業務の中でより具体的に「口コミ」を利用する方法を教えてくれています。簡単にまとめると以下のようなことです。
人の行動特性
人は勝ち馬に乗りたがる。例えば飲食店に行列ができていた場合、「きっとおいしいのだろう」という憶測が働きさらに行列がどんどん伸びていきます。これを「バンドワゴン効果」と呼ぶそうです。
「口コミ」スイッチが入るポイントがある
「口コミ」するには、ある程度の“メジャー感”が必要で、まったく知らないものを人は「口コミ」しません。ある程度みんなの関心が高いものでないと、人は話題にしたくないということです。
メジャー感は「技」で克服できる
どのような要因がメジャー感の向上につながったのか調べた調査があり、「売上ランキング1位」「注目ランキング1位」「口コミランキング1位」「テレビで取り上げられたことがある」などがあったそうです。各種ランキングでよい評価を得ていないと難しそうですが、「大阪で1位」「子供のいる家庭で1位」などいくつかの属性フィルターをかければ、1位は見つかるようです。
読み進めていくと、ある程度の技があれば「口コミ」を広められるような気がしてきますが、一番大きな問題がありました。それは・・・
「口コミ」が広まるかどうかは、製品の魅力度に大きく依存する
ということです。う~ん、まったく基本的なことですね。
まず皆が納得するようなよい製品をつくる。よい製品であればあるほど拡散する可能性は高まるでしょうし、逆に機能的に劣った魅力のない製品であれば無視されるか、最悪の場合マイナスの「口コミ」として拡散してしまうことさえ考えられます。
まず消費者の支持を得られるようなよい製品をつくる。それからの「口コミ」だと感じました。
目次
第1部 影響力を及ぼすキーパーソン
〈序 章〉影響力のプラットフォームが変わる 〈第1章〉影響力を及ぼす人々 第2部 応用編:キーパーソンをビジネスに活用する 〈第2章〉キーパーソンを動かして話題をつくる 〈第3章〉キーパーソンを動かしてヒットをつくる 〈第4章〉キーパーソンとコ・クリエーションを実践する 第3部 キーパーソンにまつわる理論と課題 〈第5章〉キーパーソンと消費行動のメカニズム 〈第6章〉影響力が大きいのは似ているふたりか、似ていないふたりか 〈第7章〉ソーシャルメディアを活用したマーケティングの課題 |
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