超訳 吉田松陰語録―運命を動かせ
吉田松陰の言葉は、常に現実を見つめ闘いながら語られた生きた言葉です。
だから、時代を超えて私たちの心に響くのです。
題名 超訳 吉田松陰語録ー運命を動かせ
著者 齋藤孝(さいとう・たかし)
発行 株式会社キノブックス
内容
著者の齋藤孝氏は1960年静岡生まれ。東京大学法学部を卒業し、現在は明治大学文学部教授をされています。
著書も多数で、特に「声に出して読みたい日本語」シリーズは260万部を売り上げ、毎日出版文化賞特別賞を受賞されています。
吉田松陰の言葉は、常に理想と現実のはざまでぶつかり悩みながら、肚から吐き出されてきた生きた言葉といえます。
本書では、その吉田松陰の言葉を分かりやすい説明を加え紹介されています。「現代に松陰が生きていたらこんな風に言ったのではないか」と著者が現代風にアレンジして翻訳する形で解説されています。
著者独自の“超訳”とともに漢文調・古文調の原文も併記されているので、併せて味わうことができるようになっています。
時間ばかりが早く過ぎ去り、自分の事で精一杯になっているひとが多いこの時代に、天下国家の行く末を考え説いた吉田松陰の言葉には、現代人が抱える閉塞感をさっと払いのける力があります。
そういう「気持ちが晴れやかになる言葉」として本書は書かれています。
こんな方におススメ!
・吉田松陰を深く学びたいと思う方
・吉田松陰の言葉から熱い思いを感じ取りたい方
・吉田松陰の行動力の源を知りたい方
感想
学校の授業で吉田松陰は「松下村塾」で講義を行い、幕末から明治維新で大きな功績を遺した、高杉晋作、久坂玄瑞、品川弥二郎など優秀な門弟を育てたと習っていましたが、そのあやふやな知識に新たな知識を書き加えることができました。
塾の先生という仕事をされていたので、もっと頭が固い思慮深い人だと思っていましたが、そうではなく思ったことは行動しなければ気がすまない、自分の目や耳で実際に確かめたくなる、そのような人だったようです。
松下村塾もあれだけの優秀な人材を数多く輩出されているので、何十年と教鞭をとられていたと想像していましたが、実際は三年弱と意外に短く、しかも二十七歳の頃と年齢も若かったことなど驚くことが多くありました。
30歳と短い人生でしたが、熱く思い行動し私たちの心にも響く言葉を数多く残されています。
人々貴き物の己れに存在するを認めんことを要す
人はそれぞれ大切なものを自分のなかに持っていて、その大切なものを見出し認めて生きていくことが大切です。それが幸福に向かう出発点になるのであり、自分を肯定できる人は幸せなのです。
大凡十歳前後より四十歳比迄、三十余年中学問を勤む、而(しこう)して其の最も自ら励むことは中十年にあるなり
10歳前後から40歳くらいまでは、学問に励むべきである。とりわけ20代、30代は勉強のしどき、ここでやらなければその後の人生に見込みはないと言ってもいいくらいだ。
凡(およ)そ読書の功は昼夜を舎です、寸陰を惜しみて是を励むに非ざれば、其の功を見ることなし
どんなに忙しくてもあらゆるスキマ時間を使って本は読める。とにかく本を読むことで、必ず読書の効果は上がっていく。
目次
1章 志を燃やす
2章 迷いを断つ 3章 覚悟を決める 4章 心を磨く 5章 人を育てる 6章 生死を超える |
【今日紹介した本】
超訳 吉田松陰語録ー運命を動かせ
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