中小企業だからできる難局を乗り切るビジネスモデル創出法
厳しい経営環境だからこそ、「攻めの経営」に転じましょう。
そして、攻めの経営を支える武器こそが「ビジネスモデル」なのです。
これまでの成功体験を捨て、一刻も早く自社だけのビジネスモデルを創り出しましょう。
「ビジネスモデル革命」こそが中小企業勝ち残りの戦略なのです。
題名 御社だけのビジネスモデルを創りなさい
著者 瀬本博一(せもと・ひろかず)
発行 株式会社カナリア書房
【感想】
数々の企業の再生を手がけてこられた著者だけに言葉に重さを感じました。ダメになる企業の事例なども紹介されていて、なるほどこれじゃ売り上げが落ちるのは当然だなと思ってしまいます。
けれど、その組織の中にいるとなかなか自社の悪い点には気づきにくいのかもしれません。特に、成功体験のある企業では、古いビジネスモデルにしがみついて、夢をもう一度などと考え変化した市場や顧客のニーズに対応できず、ジリ貧になっている場合があるかと思います。
そんな下りのエレベーターを必死にかけ上がっている企業に対して、著者は様々なアドバイスをされていました。
○「モノ」ではく「コト」を売る
今の時代は高品質、美味しい、使いやすいなどモノが良いのはあたり前で、モノだけで勝負していると他社もマネしやすく価格勝負におちいりやすいようです。
しかし、モノの裏に隠されているコトに注目して勝負することによって、それが差別化になり不毛な競争にならずにすみます。
コトの例としては、ベンツであればただの移動手段ではなく安全とステータスを売りにしていますし、100円ショップであれば安価な商品というだけでなく、選ぶ楽しさや身近なアミューズメント的な要素も兼ねそなえています。
○人事改革のない会社改革は成功しない
たしかにビジネスモデルだけ新しくしても、それを行う人間が変わらなければ改革は成功しません。会社の目標、ビジョンを明確にし、それに沿って行動し結果を出した人をしっかりと評価してあげる。そうすることで良いサイクルが回り出していきます。
本書の中でも言われていますが、一番変わらなければいけないのは企業のトップである社長なのです。社長の意識はそのままでビジネスモデルだけ新しくしても、結果はついてきません。
なぜなら社員は社長を見ながら行動するからです。社長が本気になる、その姿を見て社員も危機感をもって動くようになるのです。
まずは社長が変わる、そこから変革は始まると感じました。
目次
はじめに
第1章 専門学校再生物語 ~自殺未遂からの復活~ 第2章 中小企業は誰も助けてくれない ~攻めに転じよ!自力再生を目指せ~ 第3章 モデル再構築の法則1…ゼロ発想に徹する ~ボトルネックは誰だ~ 第4章 モデル再構築の法則2…潜在ニーズを掘り起こせ ~顧客の悩みを探せ、そして無視せよ~ 第5章 モデル再構築の法則3…強みの延長に新モデルはある ~自社の強みを知らない経営者~ 第6章 モデル再構築の法則4…ソリューションを提供せよ ~新モデルを構築する緊急性と重要性 第7章 モデル再構築の法則…シナジー効果が爆発的な売上を生む ~強みと強みのコラボレーション 第8章 「攻めの経営」の為に人と組織の変革をせよ! 第9章 CL会社にしようじゃないか 第10章 企業再生の達人たち |
スポンサーリンク
関連記事
-
「想い」と「アイデア」で世界を変える ゴミを宝に変えるすごい仕組み 株式会社ナカダイの挑戦
「失敗なんてない!!」 世の中で言われているところの失敗というのは、単に最初の予想と結果が違っ
-
稲盛和夫の経営問答 従業員をやる気にさせる7つのカギ
組織の命運はすべてリーダーにかかっています。多くの社員や家族の生活を預かるリーダーは、その使命の重要
-
メイドインジャパンをぼくらが世界へ
衰退産業と言われるアパレルと日本酒業界で、異例の躍進を続ける二人の若手経営者が、日日本のモノづくり「
-
ガバガバ儲けるブランド経営 コスト0円で「儲ける体質」に会社を変える
ブランドから会社を見直すことは、最も簡単で社員を賢くし、かつ継続的な儲けを生み出すチャンスになります
-
P・F・ドラッカーの理論をビジネスに結びつける解説書
次のようなP・F・ドラッカーの言葉があります。 「リーダーシップとは行動である。 マネジ
-
幸働力経営のススメ2 失敗から学んだあくなき挑戦の20年
“経営とは、そこで働く人間を元気にすることにほかなりません” 本書は、経営のプロとして活躍する
-
KINGJIM ヒット文具を生み続ける独創のセオリー
独創的なアイデアを実現し、ユニークな商品を次々と世に送りだすキングジム。 どのような組織運営で
-
「グレー企業」になりなさい!
「グレー企業」とは、疑わしい会社という意味ではありません。 大手企業のような待遇を約束できない
-
スノーピーク「好きなことだけ!」を仕事にする経営
せっかくものをつくるなら、今までにない製品を作ったほうがいい。他社のマネをした製品はすぐに陳腐化し、
-
俺のフィロソフィ 仕組みで勝って、人で圧勝する俺のイタリアン成功哲学
どんなに素晴らしいビジネスモデルを考えても、人を大切にしない企業は伸びません。 人を大切にしな