稲盛和夫の経営問答 従業員をやる気にさせる7つのカギ
組織の命運はすべてリーダーにかかっています。多くの社員や家族の生活を預かるリーダーは、その使命の重要性を自覚しなくてはなりません。そして、社員と心を合わせて組織を導いていく必要があります。
題名 稲盛和夫の経営問答 従業員をやる気にさせる7つのカギ
著者 稲盛和夫
発行 日本経済新聞出版
内容
著者の稲盛和夫さんは、言うまでもない日本の名経営者の一人です。59年京都セラミック株式会社(現・京セラ)、84年には第二電電(現・KDDI)を設立。2010年には、日本航空会長に就任し、経営破たん後わずか2年8ヶ月で再上場を果たす。このほか83年から「盛和塾」という経営塾を主宰し、中小企業の若手経営者の悩みに答えています。
本書は、「盛和塾」で塾生が直面する経営上の問題についてアドバイスする、「経営問答」をまとめたものです。
第1章では、経営者の努めであるとともに経営の原点でもある“従業員をやる気にさせる方法”について著者の考えを述べています。これは、社長として経営を行っていく上で永遠の課題であり、企業を大きく発展させるための第一歩だといえます。
続く第2章から第6章では、経営問答や懇親会などの質疑応答の中から、さまざまな状況においてリーダーが組織を導いていく指針となるものを選び、具体的な質問と著者の回答を示しています。
こんな方におススメ!
☆後継者の育成に頭を悩ませている方
☆社員に経営者意識を持ってもらいたいと考えている方
☆飽和市場での生き残りを模索している方
感想
経営者は孤独だと言います。最終決断は自分でしなければいけませんし、決断した結果は良くも悪くも自分の責任です。うまくいったときの喜びは大きいですが、悩みも次から次へ出てきて尽きることはありません。ですので、経営者の大先輩である稲盛和夫さんに教えを請い、またそれぞれの経営者同士で情報交換できる「盛和塾」という組織が大切な役割を果たしているのでしょう。
経営に関する悩みや不安をやわらげ、人を扱い事業を行う上での適正な方向を指し示してくれる。そういった意味では「盛和塾」は、稲盛和夫さんの教えを広める、良い意味での稲盛教ではないでしょうか。
経営者の行動が1つに定まらず、フラフラしていたら従業員も落ち着かず会社自体が1つの方向に向かって進むことはできません。そうならないように導いてくれるのが稲盛氏の教えなのです。
本書の第2章から第6章でも、経営者の方からさまざまな悩みが稲盛氏に寄せられています。内容は、大きく分けて社員教育と業績回復の2点に関するものが多くありました。それらの問題に対して氏は、自身の経験を基にして具体的にそしてすぐに実行に移せるようにていねいに教えられています。まさに頼れる指導者であるとともに、迷える経営者を悩みから救ってくれる、教祖のような存在なのではないでしょうか。
目次
第1章 経営の原点に立ち返る ―従業員をやる気にさせる7つの要諦 第2章 経営者マインドを育てる 第3章 常に先を読み、強みを磨く 第4章 理念を貫く 第5章 人を育て、未来をつくる 第6章 自らを高め、正しきを貫く |
【今日おススメした本】
稲盛和夫の経営問答 従業員をやる気にさせる7つのカギ
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