「空気」でお客様を動かす
人が何かを買うときに合理的な考えに基づいて、すべてを決めているわけではありません。人はその場の「空気」によって意思決定をしてしまうことがあり、しかも選択結果に満足しているという事実があるのです。
題名 「空気」でお客様を動かす
著者 横山信弘(よこやま・のぶひろ)
発行 フォレスト出版株式会社
内容
著者の横山信弘さんは、株式会社アタック・セールス・アソシエイツ代表取締役。セールスの現場に入り、目標を絶対に達成させることを信条とするコンサルタント。ロジカルな技術やメソッドなどを基にして情熱的に語りかける講演やメルマガは多数のビジネスパーソンから支持されている。主な著書に『絶対達成する部下の育て方』『絶対達成マインドのつくり方』などがある。
本当は買う気がなかったのに、ついつい物を買ってしまった経験はありませんか。または映画館に行くとポップコーンが食べたくなる。銭湯に行くと必ずコーヒー牛乳が飲みたくなるなど、人は何かを買うときにすべて経済合理性に基づいて意思決定をしているわけではありません。
その場の「空気」によって価値判断にかたよりが生じてしまうものなのです。そして特徴的なのは、合理的な判断をしなくても、その決定にお客様は満足をしているということです。
本書は、2種類の「空気」と3種類の「お客様」の属性を明らかにしていきます。お客様を動かす「空気」については、脳科学や行動経済学の視点をふんだんに使いながら理論的に解説していきます。「お客様」の属性については、空気に感化されやすいか否かで3タイプに分け、それぞれのタイプの特性とアプローチ方法を探ります。
著者が考える本書のキーワードは「しっくり」です。論理的に正しいかどうかではなく、「しっくり」くるかどうかでお客様は“買う・買わない”の判断をしていると言います。その意思決定をする際のシチュエーションと心理作用をわかりやすく解説しています。
こんな方におススメ!
☆営業トークに自信がない方
☆売上をなんとか伸ばしたいと考えている方
☆モノが売れる仕組みを知りたい方
感想
先日、わたしの家族が農家の生産直売のイベントに行きました。いろいろな飲食ブースがあり、そのなかで煮た落花生を販売しているところで足を止めました。まったく買うつもりはなく、ただ珍しいなと思いしばらく見た後に立ち去ろうとすると、農家のおじさんが落花生の殻をわざわざむいてくれて、「おいしいから食べてみなよ」とニコニコ顔で差し出すのだそうです。断るわけにもいかず、食べてみるとたしかに美味しかったので、まぁ「せっかくだから」と1袋買って帰ってきたのです。
前置きは長くなりましたがこの話しを聞いて、これが「空気」なんだと思いました。落花生を買いにいったわけでもないのに、「せっかくだから」と買ってしまう。ここに合理的な判断などほとんどありません。
たしかに食べてみて美味しかったのでしょうが、それよりもおじさんの笑顔の影響の方が大きかったのではないでしょうか。本書にもあるとおり、自分の商品のファンになり自信満々に紹介する人の姿にお客さまは感化され、手を伸ばしてしまうようです。
まず売る商品を好きになる。お客様に気持ちよく買ってもらうには、そこから始まるのではないでしょうか。
目次
はじめに
第1章 日常における、お客様を動かす「空気」 第2章 なぜ、お客様は「空気」で動かされるのか? 第3章 「売れない空気」の原因を解明する 第4章 「空気マーケティング」を遂行せよ 第5章 「空気」の力で、より多く、より高く売る 第6章 「空気」で、お客様を動かした成功者から学べ |
【今日紹介した本】
「空気」でお客様を動かす
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