ガバガバ儲けるブランド経営 コスト0円で「儲ける体質」に会社を変える
ブランドから会社を見直すことは、最も簡単で社員を賢くし、かつ継続的な儲けを生み出すチャンスになります。ブランド経営とは、実は最もお金をかけずに行える儲け体質への転換方法なのです。
題名 ガバガバ儲けるブランド経営
著者 小出正三(こいで・しょうぞう)
発行 株式会社サイビズ
内容
著者の小出正三さんは、1963年新潟県生まれ。国際基督教大学卒業後に株式会社大広入社。その後、外資広告代理店勤務を経て、2000年にブランドマネージメント専門にコンサルティングを行う、ブランドロジスティクス有限会社を設立。日本の大企業から新進のドットコム企業までさまざまなビジネスのブランド開発に携わっています。
「より安く、より多くの人へ、より良いモノを」
この3つが長い間日本の多くの企業においての経営の前提となっていました。しかし、世界情勢や日本の社会構造の変化などによって、いままで信奉されていた儲けの法則はその前提が崩れ、危機に瀕していると著者は言います。
この本では、これからの時代の儲けるイメージを伝えるとともに、そのイメージを会社の従業員や関係する人たちと共有してほしいとの思いから書かれています。
PART1「儲けの論理」をつかめでは、儲からないループに凝り固まってしまった頭をやわらかくして、儲けるための考え方を教えます。
PART2「ブランド」を設定しようでは、儲け力のあるブランドをつくるための四つの選択肢について説明します。
PART3「ブランディング」を整備しようでは、ブランドの品質管理を行う場合の最適の人材について解説します。
こんな方におススメ!
☆価格競争にまき込まれない経営を行いたい方
☆お金をかけないで最良のブランドをつくり上げたい方
☆儲かる体質への方向転換を行いたい方
感想
『ブランドとは、製品を売ることでも、会社を売り込むことでもなく、「ビジネスそのものを売る」ということなのです。』
この本では、同じような仕事をするライバルに対して、2~3割高い顧客単価を目指しています。価格競争に陥っている業界で働いている人にとっては、ぜひ実現したいことですが、一朝一夕にはいきませんね。
そのような、競争のドロ沼から逃れるためのヒントとして著者は、「比較されない=競争しない」ことで、安くしようとする力に抵抗する術を教えます。
ここで考えなくてはならないのが、競争する相手が誰かということです。最初に頭に浮かんでくるのは、競合他社だと思いますが、ブランドで勝負する相手は違います。
それは、「お客様の満足水準」なのです。
しかもこの満足水準とは客観的な満足ではなく、「主観的な満足」をねらい目にしているのです。
主観的とは、万人が良いと思うものだけではなく、個人的あるいはそれが好きな人たちの納得の範囲ということであり、お客様の満足水準に勝った強いブランドに対する報酬は高くなると言います。
また、マーケットを明確にして自分の土俵にお客様を引き込み、徹底的に主観的な満足に狙いをしぼることで、価格をコントロールできるようになると教えています。
戦略とは、
自分で自分の土俵をつくり、そこで戦うこと
なんですね。
目次
PART1 「儲けの論理」をつかめ ブランドが見せる21世紀の儲け第1章 20世紀と21世紀の間に儲け断層がある PART2 「ブランド」を設定しよう 客単価アップの実践第1章 「何」に名前を付けるのか? PART3 「ブランディング」を整備しよう 品質アップ・生産性アップの実践第1章 「誰」にやらせるのか? |
【今日おススメした本】
ガバガバ儲けるブランド経営
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