それちょっと、数字で説明してくれる?と言われても困らない できる人のデーター・統計術
本書は、「分析をどう行うか」ではなく「使える分析にするためにどう考えるか」を主眼に置いています。なぜならビジネスの場では、難しい統計学は必ずしも必要ではなく、その代わりに、しっかりとした課題設定と分析に基づく筋の通った説明が求められるからです。
題名 それちょっと、数字で説明してくれる?と言われて困らない できる人のデータ・統計術
著者 柏木吉基(かしわぎ・よしき)
発行 SBクリエイティブ株式会社
内容
著者の柏木吉基さんは、データー&ストーリー代表。多摩大学大学院ビジネススクール客員教授。横浜国立大学・亜細亜大学非常勤講師です。慶應義塾大学理工学部卒業後、日立製作所に入社し、MBAを取得後に日産自動車へ。2014年に独立し、大学や企業、地方自治体などのデータやロジックを組織の意思決定に活かすコンサルティングや、スキル育成サポートを行っています。
本書は、実務に必要なデータの見かたや分析法はもちろんですが、分析に入る前のプロセスで必要となる考え方や視点について詳しく説明しています。
特にデータから意味を読み取るためのロジカルシンキング的な考え方を中心として、「どう分析するか」でなはく「どう考えることで意味のある分析になるか」を解説されています。
ビジネスの現場では、必ずしも難しい統計学は必要ではありません。そのかわりに必要となるのが、しっかりとした課題設定や数字を基にした筋の通った説明なのです。
実務の世界での成果とは、間違いのない数字の分析ではなく、「いかにその主張に筋が通っていると“他人が思うか”どうか」で決まると言います。
きちんとデータが活用でき「本当に仕事で使える」、今までのデータ分析の本とは違う内容となっています。
こんな方におススメ!
☆会議やプレゼンのとき言いたいことがよくわからないと言われている方
☆なんとなく自己流で数字をまとめているが、それをもっと活用したいと思っている方
☆データを使ってロジカルな報告や説明をしたい方
感想
本書は、5つの章に分かれていますが、一番ボリュームが多いのが第2章の『仮説で「当たり」をつけろ』です。正しく課題の目的を認識し、そこにデータや分析手法をつなぎ合わせることで、身動きのとれない状況から脱することができ、分析を正しい方向へ進めることができるようになります。つまりその「つなぎ合わせる」役目をするのが仮説なのです。
データ分析の用途や目的は、「このあたりに課題があるのではないか」という自分の立てた仮説の検証だと言います。検証もされていないような仮説に従い意思決定することは、ビジネスの世界において致命傷だからです。
この章では、仮説の立て方のコツと、その仮説に基づいた分析法をじっくりと教えてくれています。
また私が勉強になったのは、第6章に出てくる「スライドのタイトルに注意!」(P.215)という部分です。プレゼンや会議では、自分だけが理解しているだけでは問題外で、必ず「受け手のことを考えた見せ方」に注意しなければなりません。そこで工夫しなければいけないのが、スライド等のタイトルで、「そこだけ読んでもらえれば最低限言いたいことが伝わる」シンプルなものにする必要があるのです。
本書のケースで比較すると
旧タイトル
「店舗ごとに見た現状把握結果」
新タイトル
「店舗Aと店舗Cを課題店舗として特定」
見た目ですぐわかる「そもそも何がいいたいのか」を言葉にすることが受けいれられる資料になるようです。
目次
プロローグ ビジネスに数字やデータはなぜ必要か
第1章 ロジカルシンキングとデータ分析で課題を解決! 第2章 仮説で「当たり」をつけろ 第3章 「平均」と「標準偏差」で“課題ポイント”を特定する 第4章 「相関」で課題の“要因”を特定する 第5章 理解と承認を得て人を動かすための伝え方 |
【今日おススメした本】
それちょっと、数字で説明してくれる?と言われて困らない できる人のデータ・統計術
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