部下を定時に帰す「仕事術」
仕事も家庭も徹底的にマネジメントする「ワーク・ライフ・マネジメント」を実現するには、社員だけが必死に仕事を効率的に進めてもムリがあります。
リーダーの段取り、チームの仕事全体をまるごと効率化するという、リーダーの力量が問われているのです。
題名 部下を定時に帰す仕事術 ~「最短距離」で「成果」を出すリーダーの知恵~
著者 佐々木常夫(ささき・つねお)
発行 WAVE出版
内容
著者の佐々木常夫さんは、1944年秋田市生まれ。1969年に東大経済学部卒業後、東レに入社。うつ病で何度も自殺をくり返す妻、自閉症の長男を含む3人の子供を育て家事の一切をやるために、毎日18時に退社する必要に迫られる。
その中で日々苦闘しながらタイムマネジメント術を編み出し、2001年同期トップで取締役就任。経団連理事、政府の審議会委員など公職も歴任されています。
著者は、仕事ができるかできないかの差は、「能力の差」よりも「仕事のやり方」であるとして、いい仕事をするための「勝利の方程式」をつくりあげる重要性を説いています。
本書ではこの方程式を、計画を先行させる「戦略的仕事術」、時間を節約する「効率的仕事術」、時間を増大させる「広角的仕事術」の3つに分けて紹介しています。
そしてこの方程式は課長クラスのリーダーの力量が大きく影響するので、部下を持って仕事をする人に対して、仕事全体を戦略的・計画的に仕切り広角的な視野をもって仕事を進めることを教えています。
こんな方におススメ!
☆最近残業が増えてきていると感じるリーダー
☆時間に追われ、満足に仕事ができないリーダー
☆部下を成長させたいと思うリーダー
感想
仕事ができる人は、能力が高いと思われがちだが「能力のあるなし」よりも、仕事の進め方が上手か下手かによる差の方が大きいといいます。
ですから、少しくらいの能力の差は考え抜く努力と工夫によって克服することができるのです。
そこで重要になってくるのがリーダーの采配なのです。部下が一生懸命、効率的に仕事に取り組んでいても、リーダーの段取りが悪いばっかりに、チームの生産性が落ちてしまうことがあるからです。
リーダーの仕事はさまざまありますが、大きく分けて2つの役割があるように思います。それは、「将来像を示す」ことと「働きやすい環境をつくる」ことです。
部下というのは短期的な視野で仕事を行っている場合が多く、全体の仕事の中で今自分のいる地点、あるいは多くある仕事の中で今やらなければいけない最優先事項が見えなくなっている場合があります。そこでリーダーは全体をしっかり見据えて向かうべき将来像を示し導いてあげる必要があるのです。
また、働きやすい環境をつくるために、部下の行動に目を配り、常にモチベーションをあげてあげる必要があります。その一番の方法は、「私はあなたのことをしっかり見ているよ」というサインを送り続けることです。
例えば怒るときも怒りっぱなしではなく、その後の対応や仕事の進み具合に対して声をかけることによって、部下は「きちんと私のことを見ていてくれる」と思うようになり信頼関係も構築され、コミュニケーションもスムーズになっていくようです。
この2つのポイントをはずさなければ、部下からの信頼の厚いリーダーになることができるのではないでしょうか。
本書を読んで心に残った言葉は以下のようなものでした。
「当たり前」と思うときこそ、「思い込み」の可能性がある
ビジネスにおいて失敗の原因となるものの一つが「思い込み」ですね。「仕事を始める前に聞く」そして「仕事の途中で聞く」、これを実践することで仕事のムダは減らせます。
仕事は現場で片付けることがスピードアップに繋がりますし、仕事の精度も高める
会議の議事録や出張レポートなどは忙しいと後回しにしてしまいがちです。ですが、日がたつと記憶も薄れ、レポートの品質も劣化していきます。仕事をためず「現場主義」を徹底することでグンと効率的になります。
プアなイノベーションより優れたイミテーション
会社の仕事は同じ作業のくり返しであり、自分の出す知恵などたかが知れています。先輩や上司の優れた提案書などをよく読み、その優れている部分を学んで応用しましょう。優れたイミテーションを積み重ねた先に、優れたイノベーションは生まれてくるのです。
仕事は何をしないかが大事
会社の仕事の多くは雑用の塊であり、放っておくとどんどん溜まっていきます。そのため整理整頓しておかないと、それらに追われ仕事のスピードが落ちてしまいます。
いかに最低限のインプットで、どの程度の完成度で済ませるかをよく考え仕事を進めることが重要です。
目次
第1章 計画を先行させる「戦略的仕事術」
第2章 時間を節約する「効率的仕事術」 第3章 時間を増大させる「広角的仕事術」 第4章 佐々木流「独断と偏見のアドバイス」 第5章 社員を活かす経営者になれ 第6章 ワーク・ライフ・バランスが強い会社をつくる |
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