伝わる文章を書く技術
ビジネスシーンでは、必ず「文章にして伝えること」が要求されています。
ふだんはあまり気にすることのない文章能力ですが、組織の内部で「やりたいこと」を実現させていくのであれば、「伝わりやすい」企画書やプレゼン資料を作成する能力は必要不可欠です。
題名 プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術
著者 印南敦史(いんなみ・あつし)
発行 株式会社KADOKAWA
内容
著者の印南敦史氏は、1962年生まれ。2010年よりライフハッカー[日本版]に週5本のペースで書評を掲載されています。その他、著書も多数で多方面で活躍中の方です。
STEP1は「プロ書評家が教える読書術・時間術」です。ここでは、読むことと時間の使い方について説明しています。本によっては隅から隅まで読まなくても内容を把握できるものもあり、流し読みでいい本の特徴や効率的な斜め読みのテクニックを教えています。
STEP2は「読み手の視点に立つ」です。ここでは、読んでもらうための心構えの説明です。自分だけが楽しむものならともかく、「読んでもらう」という目的が存在する場合、読み手が誰であるかのターゲットの見極めとイメージの構築が重要と語ります。
STEP3は「大切なのは『伝える』こと」です。ここでは、伝えるための文章表現について説明します。大切なのは「冷静さ」「客観性」「わかりやすさ」の3点。そして「つかみ」を盛り込むことにより文章が引きしまり、読み手を効果的に刺激することができるとしています。
STEP4は「『読ませる』文章の書き方」です。ここでは、著者の経験に基づいた『読ませる』文章の書き方について説明します。魅力的な文章を書く上で必要なのは、①センス(感性) ②文法 ③リズム ④簡潔さ ④削ぐ力 だとして、それぞれのテクニックを説明していきます。
押さえるべきポイントは至ってシンプルで、シンプルだからこそ必ず人を引きつける文章を書けるようになると語っています。
こんな方におすすめ!
◇プレゼン資料作成が苦手な方
◇文章を書く仕事に携わっている方
◇ライフハッカー[日本版]を毎朝見ている方
感想
月~金曜日までほぼ毎日ライフハッカー[日本版]にて書評を書き続けている著者ならではの文章の書き方、まとめ方、読ませ方を書かれています。
膨大な量の本を読み、それを分かりやすく、しかも飽きさせずに簡潔にまとめてこられた著者だけに、独自の理論が完成していて、そのテクニックを使うことで「伝わる文章」が時間をかけずに書けるようになると説明されています。
全体としては、書評の書き方の内容となっていますが、プレゼンテーションや企画書、レポート作成法などビジネスにも応用できる内容となっています。
「誰が読むのか」「誰に読んでほしいのか」をはっきり意識すること
特に企画書の場合は、理解されることが最優先ですので、ことさら「読んだ人はどう感じるか」をイメージしながら作ることが必要です。
本当に難しいのは、簡潔に、わかりやすく書くこと
伝わりやすい文章を書くにあたって意識すべき最大のポイントです。わかりづらい専門用語を並べて、格好よさや知性を前面に押し出してしまうと、何を言いたいんだか全然わからない。むしろ格好悪い文章になってしまうようです。
「読み手がなにを求めているか」を常に意識しながら書く
明確なテーマとターゲット設定がされていれば、求められていることへ効果的にアプローチができ、よりよい結果を生み出してくれるようです。
目次
STEP1 プロ書評家が教える読書術・時間術
STEP2 読み手の視点に立つ STEP3 大切なのは「伝える」こと STEP4 「読ませる」文章の書き方 SPECIAL対談 「ライティングで大切なことは何ですか?」 ライフハッカー[日本版]編集長・米田智彦×印南敦史 |
【今日紹介した本】
プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術
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