世界一の庭師のビジネスの流儀
大きな仕事、真剣勝負のビジネスであればあるほど、チャンスはそう簡単に巡ってきません。
そんな場面で「できません」なんて最悪、「持ち帰って考える」という選択肢もありません。
そう、仕事はいつだって相手あってのものですから、できるかどうか分からない、正直そんな時もあります。
ですがチャンスがなければやってみることさえできません。目の前のお客様からチャンスをもらえるのであれば、迷わず「YES」「できます!」と答えましょう。
まず、土俵に上がることが重要で、やり方は仕事をもらった帰り道で考えればいいのです。
題名 まず「できます」と言え。やり方は帰り道で考えろ。「世界一の庭師」の仕事の流儀
著者 石原和幸(いしはら・かずゆき)
発行 株式会社KADOKAWA
【感想】
最初この本を手に取ったときに、表紙に石原和幸、庭園デザイナーと書いてあったので、庭師のビジネス書ってどんなの?どれだけ役に立つの?と半信半疑でした。
しかし、読みはじめるとグイグイ話の中に引きこまれていきました。熱い、とにかくバイタリティーにあふれ、文脈から著者の情熱がドンドン伝わってきます。
初めは個人の庭園デザイナーの方かなと思い読み進めていったのですが、しっかりした会社経営をされていて、組織としての悩み、試行錯誤もあり庭の話しだけでなくちゃんとした経営に関するビジネス書になっていました。
読後に一番感じたことは、「夢」あるいは「目標」をクリアするための方法です。よく「夢」に向かってガンバレとか、願えばかなうとか言うことがありますが、ただがむしゃらにやってもダメで行動するにも方法があるということです。
それが商売ならお客様がいるので、良いものを提供するのはあたり前で、いかに喜んでもらうか、いかにうれしいことや悲しいことを共有するかにかかっていると感じました。
著者は今までの経験からこんなことを言っています。
お客さんがほしいのは商品ではない
花を買う場合でも、花そのものを買っているのではなく、それを買う理由、例えば誕生日のプレゼント、送別会の贈り物などの理由をしっかりとらえて、望みを叶える手伝いをする。その結果としてものが売れると語っています。
そして、夢をかなえる法則として、以下のように教えてくれています。
「言う→行動する→実現する」
人から「それは無理だ」と言われても言い続けます。言い続けることによって「そうだ俺はこれがやりたいんだ」とまず自分がその気になってくる。そして、その言葉が本当に自分の言葉になった時「どうすればそれが実現できるの?」と考え始め、その過程でいろいろな行動が生まれてくるようです。まず、言うことですね。
また夢や目標に最短でたどり着く方法として以下のことを話しています。
「この人を超えたい」と目指す人を探せ
目指す人がいれば、その人を目標に進んでいけば良いだけなのでブレズに進めるようです。そして、その人が歩いてきた道のりを具体的に知ることで、今自分がやっていることとの違いがわかり行動パターンも変わってくると言っています。
庭園デザイナーとしての一面だけでなく、庭づくりの仕事を受注する「営業」、チームで作品をつくり上げる「組織運営」についての話しもあり、読みごたえのある一冊でした。
目次
Ⅰ 世界で戦ってわかったこと Ⅱ 仕事の基本は、こうして身につけた Ⅲ 仕事レベルが上がり続ける考え方 Ⅳ 人を動かすために本当に必要なもの Ⅴ 「自分メガネ」をつくるために |
【今日紹介した本】
まず「できます」と言え。やり方は帰り道で考えろ。「世界一の庭師」の仕事の流儀
スポンサーリンク
関連記事
-
-
図解 頭のいい説明「すぐできる」コツ
伝えたいことが、相手に正しく伝わらない。 お願いしたのに、相手がその通りに動いてくれない。
-
-
「想い」と「アイデア」で世界を変える ゴミを宝に変えるすごい仕組み 株式会社ナカダイの挑戦
「失敗なんてない!!」 世の中で言われているところの失敗というのは、単に最初の予想と結果が違っ
-
-
トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術 [超実践編]
著者がトヨタで学んだ「紙1枚」にまとめる技術は、頭の中のゴチャゴチャをすっきりさせてくれる、シンプル
-
-
三ツ星料理人、世界に挑む。
パリでの日本料理店〈OKUDA〉の開店。一度決めたらやり通す。困難は覚悟の上でしたが、「意地でも形に
-
-
失敗力 30代でひと皮むけるヒント
数々の試練や苦しい時代を乗り越えたからこそ、的確で熱く胸にグッとささる言葉があります。 失敗を
-
-
成功の神はネガティブな狩人に降臨する バラエティ的企画術
やりたいことを実現するためには、アイデアをレギュレーション(=規制・規則)に合わせるのではなく、アイ
-
-
伝わる文章を書く技術
ビジネスシーンでは、必ず「文章にして伝えること」が要求されています。 ふだんはあまり気にするこ