「なぜか売れる」の公式
成功事例をそのままマネをしても成功が再現するわけではありません。
しかし、成功した人々が「どのように頭をつかったか」、その枠組みを学び自分のビジネスに当てはめて試行錯誤する。
そうすることにより、理論を知らずにやみくもに努力するよりも、成功の確率が高まります。
題名 「なぜか売れる」の公式
著者 理央周(りおう・めぐる)
発行 日本経済新聞出版社
内容
理央周氏は1962年生まれ。静岡大学人文学部経済学科を卒業され、大手製造会社等に勤務。インディアナ大学にてMBA取得後、アマゾンジャパン、マスターカードで務めた後に2010年マーケティングアイズ株式会社代表取締役に就任されています。
マーケティングに特化したコンサルティングや研修等を行い、2013年より関西学院大学で教鞭をとられています。
本書の内容を一言で表すと、マーケティングのやり方を分かりやすく、誰でもすぐ使えるように解説している入門書です。
「マーケティング」という言葉は、ビジネスの世界ではよく耳にする言葉ですが、日本語に訳すとどういう意味になるのでしょうか?著者は以下のように説明しています。
マーケティングとは、「自然に売れる仕組みをつくること」
つまり、顧客が自発的に「あの商品がほしい!」と思うように商品開発、市場リサーチ、価格設定、広報活動をすること。この活動のすべてがマーケティングというわけです。
ではどのように「売れる仕組み」をつくっていけばいいのでしょうか?以下の3つのポイントを押さえるだけで「売れる仕組み」は簡単につくれると著者は言います。
①何を ②誰に ③どうやって
この順番に仕組みを組み立てる。これがマーケティング活動の基本だとしています。
本やセミナーで学ぶことは大事ですが、一番重要なのは理論より「実際に使うこと」だと言い、ポイントをしぼりなるべく分かりやすい言葉を用いて解説され、実際のビジネスの現場において使える内容となっています。
また、本書の中で参照した書籍と著者の名前が載っていますので、もっと深く学びたいと考える方にも使える一冊となっています。
こんな方におススメ!
・マーケティングの本を色々と読んだが難しくて理解できなかった方
・販売促進策が裏目に出てしまう方
・基礎からマーケティングを学びたいと思っている方
感想
マーケティングを実践するためのポイントがしぼり込まれていて、非常に分かりやすく、かつ勉強になる本です。商売を行う上でのマーケティングの重要性は言うまでもありませんので、本を読む、あるいはセミナーや講習会に参加し勉強されている方も多いのではないでしょうか。
ですがマーケティングの基礎知識や、簡単な成功事例などの説明を見たり、聞いたりしている間はなんとなく理解したような気になるのですが、いざ自分の会社に応用してみようと考えた時に、どうしたらいいのか分からなくなってしまい、結果的に実践に結びつかず勉強しただけで終わってしまう。なんてことはありませんか?(それは私のことです…)
人はたくさんの事を一辺に覚えられません。ましてや覚えたての新しい情報はすぐに忘れてしまいます。
そんな人のためにこの本は「売れる仕組み」のポイントをたった3つにまとめています。
①何を
②誰に
③どうやって
この3つのポイント順(この順番が大事です)にどう買ってもらうのか考える。そうすることで、難しいマーケティングの理論が分からなくても、ある程度の会社の進むべき方向性が見えてくるというわけです。たった3つだけなら誰でも悩まずにすぐに実践できそうですね。
ポイントをしぼって非常に分かりやすく書かれていて、マーケティング初心者向けの内容となっていますが、参照された書籍や著者が紹介されているのでもっと学びたいという方にも使える一冊となっています。おすすめです!
目次
プロローグ 売るためには、3つのポイントだけで考える 第1章 顧客には、「天ぷらうどん」を勧めましょう―「何を」を考える 第2章 中学生には自転車を売ってはいけない―「誰に」を絞り込む 第3章 とびきり美味しいカフェ、さて店名は言えますか―「どうやって」を練る 第4章 その商品、本当に欲しいですか―顧客目線になる 第5章 「売れる」の公式を知っている人―学んで実践する |
【今日紹介した本】
「なぜか売れる」の公式
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