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幸働力経営のススメ2 失敗から学んだあくなき挑戦の20年

“経営とは、そこで働く人間を元気にすることにほかなりません”

本書は、経営のプロとして活躍する著者の20年分の経営のエッセンスが詰まっているのです。

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題名 幸働力経営のススメ2―失敗から学んだあくなき挑戦の20年
著者 金川裕一(なかがわ・ゆういち)
発行 株式会社カナリアコミュニケーションズ
定価 1,500円+税

内容

著者の金川裕一さんは、1959年東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、横河電機製作所(現・横河電気㈱)入社。1996年同社の社内ベンチャー制度にて横河マルチメディア株式会社(現在のキューアンドエー㈱)を設立。

IT関連のサポート会社として、20年間で約200億円の規模まで成長させる。著書に『幸働力経営のススメ―やる気と業績が劇的に変わる!』がある。

起業してから20年間生き残れる会社は、1000社に3社だけと言われています。著者が代表取締役を務める会社は、創業から20年以上を数え、経営を続けてこれたこと自体がビジネスジャングルの過酷なサバイバルレースを勝ち抜いてきたひとつの“証し”と言えます。

けれど、その間ずっと好業績だったわけではなく、厳しい局面を経験しながらも知恵と体力で難局を乗り越えながら会社としての経験を積んできたのです。

世の中に絶対的な正しい経営のマニュアルなどありません。ただ、荒波にもまれても沈没せずに、20年という長い間生き残ってきた会社には、それなりの経験則があると著者は語ります。

本書は、サラリーマンから起業し、今まで学んできたことを経営者や起業を目指している人、あるいは新しい事業に挑戦しようと夢を抱いているビジネスパーソンに役立ててほしいという思いから書かれている、働く人を元気にする経営の指南書です。

こんな方におススメ!

☆新しい事業に挑戦しようとしている方
☆「経営」することの難しさを感じている方
☆株式上場を考えている方

感想

第1章の冒頭で著者は、

「何を」やるかより、「誰が誰と」やるか

と言い、人の大切さを重要視しています。(P.12)

人には人格があるように会社にも「社格」というものがある。

それは、そこに務めている人間によって決まるのだから、新しいビジネスを始めるときは、取り扱うサービスよりも、誰がそれを行うのか見極めることが大切だと語っています。

「人」の大切さを、身をもって経験している著者ならではの実感のこもった言葉ではないでしょうか。さらに「人」に関する言葉として、

真摯でなければ成功しない

とも語っています。(P.34)

真摯とはまじめで熱心ということです。逆に真摯でない行動とは次のようなものです。

 約束を守らない

 すぐに行動しない

 時間にルーズ

真摯に行動するということは、特別なことではなく、小学生の頃から言われている人としての最低限のルールを守ることのような気がしますね。

たしか、ドラッカーの「マネジメント」にも、「真摯さ」という言葉が登場していました。「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」にもこの言葉がキーワードの一つになっていたような気がします。

では、会社で一番真摯に行動しなければいけない人はだれでしょうか?

それは、もちろん組織のトップである社長です。社長は、日ごろ社員が怠けずまじめに働いているかチェックしているつもりになっています。

しかし、現実は違います。社長は見ているようで、逆に社員から見られていて、社長が怠けると社員も怠けるのです。

社長の本気度を常に社員は見ているので、社内でやると決めたことは、社長が率先して行動する。できた社員をしっかり褒めてあげる。

そうすることでやる気に満ちた幸動力のある会社になるのではないのでしょうか。

目次

第1章 ゼロからの起業

第2章 社長業というプロフェッショナル

第3章 会社という生き物

第4章 資金繰りのリアル

第5章 IPOの光と闇

第6章 M&Aのルール

第7章 元気になる経営とは

【本日おススメした本】
幸働力経営のススメ2―失敗から学んだあくなき挑戦の20年

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