〈チーム編〉教える技術
本書で紹介する方法は、初めて部下を持った人でも、口下手でどうも話しづらいという部下を持っている人でも、無理なく実践できる行動科学マネジメントです。
カリスマ性やズバ抜けた能力といったものはまったく必要ありません。
題名 <チーム編>教える技術 行動科学で成果が上がる組織をつくる!
著者 石田淳(いしだ・じゅん)
発行 株式会社かんき出版
内容
日経BP「課長塾」の講師でもある著者の石田淳氏は、日本の行動科学(分析)マネジメントの第一人者で、セミナーや社内研修などでリーダー層から絶大な支持を集めています。
ベストセラーとなった2011年刊行の前作「教える技術」では、部下に「望ましい行動」を継続して行ってもらうための方法を記していました。続編ともいえる本書では、チームの育成や組織の活性化に焦点をあてて書かれています。
リーダーにカリスマ性や素質などいらないと言い、初めて部下を持った人や口下手な人でも無理なく実践できるメソッドがどのページからでも学べるようになっているので、日頃気になっているテーマから読み進めていくのもいいでしょう。
こんな方におススメ!
・チームの業績が思うように上がらないと悩んでいるリーダーの方
・部下から信頼されているか不安になっているリーダーの方
・年上の部下への接し方に迷っているリーダーの方
感想
リーダーというと明るく活発、皆をグイグイ引っぱっていくチームの象徴的存在でなければならない。という私なんかは、とってもマネできないような役割と考えてしまいがちなリーダーという存在を、もっと身近なものにしてくれる内容となっています。
リーダーの役割として重要なことに部下とのコミュニケーションがあると思いますが、一口にコミュニケーションといっても、その人によってやり方もさまざまで何が正解かはっきりしません。そこで著者は職場で必要なコミュニケーションをシンプルに2つだけで良いとしています。
1つ目は、仕事で成果を出すためのコミュニケーション。これは会社やチームの目標を達成させるための指示や会議、報連相などのことです。
2つ目は、信頼関係を築く(保つ)ためのコミュニケーション。これは1つ目の仕事で成果を出すための基盤となる信頼関係を構築し保つためのものです。
例えば、何を考えているか良く分からない、ちょっと自分とは相性の合わない苦手な部下とのコミュニケーションで悩んでいる場合には、著者は次のように言っています。
人の気持ちなんて分からないのが当たり前
なんか気持ちが楽になる言葉ですね。そして苦手意識というのは「感情」によるものなので、焦点をあてるのはそこではなく「行動」にフォーカスすべきと語っています。
部下が仕事に関わるどんな行動がすぐれているのか良く観察する。ダメなやつと思っていた人が実はお客様へのフォローがすばらしかったり、報告書のまとめ方がきれいだったり、そういう仕事の成果に直結する望ましい行動をした時にすぐにほめる。
そうすることで「この上司は私のことをちゃんと見てくれているんだ!」と感じてもらえるようになり、上司への安心感、信頼感へつながっていくようです。
目次
CHAPTER1 成果を上げるために上司がやるべきこと
CHAPTER2 行動科学マネジメントの考え方の基本 CHAPTER3 リーダーの聞く技術・話す技術 CHAPTER4 ショートミーティングのすすめ CHAPTER5 正しいホウレンソウをさせる CHAPTER6 働く喜びに満ちた職場づくり CHAPTER7 チームを活かす技術 CHAPTER8 結果を出すための会議 |
【今日紹介した本】
<チーム編>教える技術 行動科学で成果が上がる組織をつくる!
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