あなたを悩ます 話してもわからない人
「話してもわからない人」とのコミュニケーションに悩んだことのある方に、対応のヒントを教えてくれる一冊です。
題名 あなたを悩ます話してもわからない人
著者 柴田豊幸/柴田洋平
発行 株式会社 幻冬舎
内容
著者の柴田豊幸さんは、青山学院大学卒業後、第一勧業銀行を経て、株式会社チャイルド社入社。現在は、会社を7社、保育園を6園経営する経営者です。
柴田洋平さんは、慶應義塾大学法学部法学科・東北大学法科大学院修了。2011年に弁護士登録をされています。
東京弁護士会子どもの人権と少年法に関する特別委員会委員。弁護士であるとともに保育士でもあり、株式会社チャイルド社監査役を務めています。
著書は『やさしいあなたが苦しまないための 非常識クレームへの対応法』など多数。
世の中には、自分と同じようにものごとを考える人ばかりでなく、いろいろな人がいます。「ていねいに理解できるように話せば、きっと分かってくれる」という考えは幻想にすぎません。どんなにていねいに話しても、こちらの考えが伝わらない人、分からない人はいるのです。
本書は、さまざまなタイプの「話してもわからない人」について、どのように対応すればよいか解説しています。
多くの事例で共通しているのが、対応する人が「やさしい人」であったために、悩み、苦しみ、さらには死という最悪の結果も実際に起こっているということです。
誠心誠意対応すれば、必ず気持ちは通じると信じ、相手から攻撃される理由を自分のせいにし、できるだけ他の人に迷惑をかけまいと一人で抱え込んでしまう・・・それが過度になってしまうと悲劇は起きてしまいます。
本書では、クレームに対応するにあたって、大きな柱となる考え方を二つに絞り込んでいます。一つ目が、「個人」の価値観や立場で判断するのではなく、「組織」として対応するという概念です。
二つ目が、「観察→分析・理解→反応・対応」のプロセスを意識することです。この二つの考え方をベースにして、対応法を導き出していきます。
なお、「話してもわからない人」の多くは、その本人も社会での生きづらさを感じ、苦労していると言います。著者には、そのような人を排除する意図はなく、彼らと共存していくためにお互いが傷つかない対応を目指しています。
こんな方におススメ!
☆理解しがたい人と、一緒に仕事をしていかなければいけない方
☆最適なクレーム対応法を探している方
☆コミュニケーションに悩んでいる方
感想
本書は、さまざまなタイプの「話してもわからない人」あるいは、常識では考えられないような行動をする人の事例を1事例につき4ページにまとめ、合計30事例について解説していきます。
どれも身近にありそうな事例ですので、自分が悩んでいるパターンに似たものが見つけられるはずです。
全体を通して私が受けた感想は、「分かり合える人ばかりではない」ということです。いろいろな価値観や考え方で行動する人がいるのが現実ですので、「個人対個人」で対応してしまうと、当事者にとって大きな負担となります。ですから大きな枠組み、つまり「組織対個人」として対応することで、個人では抱えきれないストレスも半減するのだと思います。
ですが、ここで気をつけなければいけないのが、相手ばかりが悪いと最初から決め付けないことです。
自分の考えや対応に間違いや落ち度がある場合もあります。相手を攻めるのは簡単なことですが、まず、自分の行いを振り返ってみて、反省すべきところは反省する、それから相手への対応を考えても遅くはないような気がしました。
目次
《序章》本書活用のための基礎知識Ⅰ.誤った対応が招いた悲劇 《第1章》「話してもわからない人」への事例と対応事例1 失礼な言葉を悪気なく口にする 《第2章》問題が肥大化した場合の解決法1 問題の発生と解決までのパターン |
【今日おススメした本】
あなたを悩ます話してもわからない人
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